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東野幸治&今田耕司のアップデート発言。芸人たちの意識が変わってきた?

変化する大御所たち

 今田さん東野さん以外にもここ数年の間に、時代の変化に対応して活動の幅を広げた芸人・タレントさんはいます。  バブルの頃は後輩イジメやパワハラ的な言動のイメージがあったヒロミさんも、一時期テレビの世界から消えた後は、愛妻家やDIYタレントとして幅広い世代で人気者に。
 とんねるずも、『みなさんのおかげでした』(フジテレビ系)終了後は、『土曜朝6時 木梨の会。』(TBSラジオ)、『石橋貴明、薪をくべる』(フジテレビ系)などのトークや芸術・スポーツ関連など、個人の特性を生かした方向性に活動が変わっていきました。  先日逝去した志村けんさんは、故・高倉健さんから直談判された映画『鉄道員』を除いては俳優業をかたくなに断り、お笑い一筋だったといいます。志村さんといえばバカ殿などでキワどいコントを作り続けていたひとり。  ですが、今年はNHK朝の連続テレビ小説『エール』や映画『キネマの神様』に出演予定があったのは、時代の変化に対応したがゆえのことだったのかもしれません。

芸人たちの“自分は変わったアピール”に違和感を持つ声も

 ただ、視聴者の中には、芸人さんたちの「変化した」というアピールや路線変更に違和感を持つ人も少なくありません。  先日、テラスハウス出演者への誹謗中傷と死去に関連し、若手お笑い芸人「ニューヨーク」が過去に「弱い者いじめに見える」と自身のYouTubeで指摘していたことが話題になり、賞賛を浴びました。  しかし彼らも、2017年にネット番組で、過度の出演者いじりやセクシー女優へのセクハラ発言をしたことが大批判を浴びた過去があります。  東野さんもかつて『ごっつええ感じ』などで、篠原涼子さんにキスをするなど、今となってはセクハラと問題視されそうな言動を数多くテレビの中で行っていました。  真相は定かではありませんが、今田さんもかつて後輩芸人たちと飲みの席で女性問題を起こし、週刊誌に追及されたこともあります。とんねるずの過去のコントや企画もSNSではいまだに「許せない」といった声が見受けられます。 「自分は変わった」という訴えや行動が視聴者に信じられていないのは、キャラクターで勝負をしている芸人さんの宿命なのかもしれません。

芸人も年齢とともに変わっていく

 しかし、人間は誰も生きていく中で多くのことを学び、成長していきます。ノブさんの「与える」発言を今田さんがたしなめたことは、本質を理解していないと気づかない忠告です。  路線変更した芸人さんたちの過去の言動を引きずって、視聴者が「許せない」「信用できない」「保身で嘘をついている」と思いたくなる気持ちもわかります。かつて芸人さんたちの言動で傷ついた人や本気で怒りをおぼえた人もいるでしょう。  しかし、ここはぐっとこらえて、私たち視聴者は芸人さんの過去のキャラクターにとらわれず、柔軟に見守っていくことも、今後バラエティがよりよく変わっていくうえで必要なことなのかもしれませんね。 <文/小政りょう>
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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