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名古屋人と大阪人は不仲なの? 大村 VS 吉村知事のバトルと県民性

大阪と名古屋、400年前の因縁

 そもそも、岩中氏によれば、よく“3兄弟”に擬せられる東京(長男)・大阪(次男)・名古屋(三男坊)については、歴史的背景を持つ関係性があるそうです。 「江戸時代まで長らく日本の経済の中心地だった大阪は、東京に対しては『何するものぞ』という気持ちをいまでも失わずにいます。秘かな優越感といってもいい。  と同時に、名古屋に対しては『大坂夏の陣・冬の陣』(1614-15年)以来、恨みに似た感情を抱いています。  愛知県出身の徳川家康が名古屋城を築かせたのは、豊臣(=大阪)の息の根を止めるためだった(築城にたずさわり経済的な疲弊を余儀なくされたのは、ほとんどが豊臣方の有力武将)。事実、それが功を奏し、豊臣(=大阪)は最終的に徳川に滅ぼされてしまいました。  ただ、経済の中心は、それでも大阪にあり続けました。それが東京への優越感につながっているわけです」
 では、逆に名古屋人は「東京から下に見られるのは許せるけど、大阪にそうされると腹が立つ」といったことはあるでしょうか? 「相手が大阪だろうが東京だろうが、何の得にもならない争いに関わるのは避けようとするのが名古屋。とにかく、無駄はイヤ。『下に見られる』ことで損をするのなら話は別だが、損も得もなければ、ニュートラルでいられるわけです」  東京と大阪の間にあって、淡々と、黙々と、自分たちの利を追求するのが名古屋だそう。“世の中、目立たずに得することのほうが、目立って損することより多い”ということを歴史から学んでいるために、目立つことを嫌うのも大きな特徴とのことです。

愛知県人は“目立つ”のが嫌いで「利」を重視?

 それでは、吉村府知事の高須院長への「応援してます」ツイートは、他自治体の長がリコールへに賛同するという異例の行動ですが、愛知県人の県民性は肯定的/否定的、どちらで受け止めるのでしょうか?
 Twitterでは<#大村知事リコールに反対>という投稿が、<#大村知事のリコールを支持します>という投稿数で上回り(「日刊スポーツ」6月3日記事より)、全国的には大村知事リコールに反対の流れが強いようです。愛知県の県民性として、“ブランド好き”と言われますが、全国的な意見には一定の価値があるとみなして、そちらに流れる可能性が高いでしょうか? 「たしかに、それは言えそうです。メジャーについたほうが、“目立つ”というリスクをおかさずに済むから。いつ、どんな場合も、自分たちの『利』につながるほうをセレクトするのが名古屋なのです。相手が自分たちの『利』につながると判断すれば、どこだろうが区別したりはしないんですね。  一方、大阪は『利』もさることながら、『目立つ』ことを重視する。商売・芸事ではそれがとても大事だから、習い性になっているのかもしれません。東京が大村リコール不支持を打ち出したりすれば、大阪のその度合いはさらにエスカレートしそう」  愛知県も一枚岩というわけではなく、大村県知事のリコール運動について、河村たかし・名古屋市長が「名古屋市民や日本国民の税金や名誉を守るために応援する」と発言しました。
<画像:河村 たかし(本人)Twitterより>

<画像:河村 たかし(本人)Twitterより>

「大村県知事は、家業は農家、碧南市出身で西尾高校から東大、農水省というコースです。それに対し河村市長は、家業は古紙回収、名古屋市出身で旭丘高校から一橋大学、家業を継いだあと政界入りしました。  二人とも、さほどエリートっぽさを感じさせない刻苦勉励タイプなので、名古屋ではウケがよいはず。ただ、両人の間にはライバル意識が強くありそうです。  ちなみに、高須クリニックの高須克弥氏は、愛知県で江戸時代以来続く医師の家系。高校も私学のエリート校東海で、どちらかというとお金持ちで恵まれている匂いがします」  一般に、名古屋=愛知は政治家に対しても、「自分たちに利をもたらしてくれるか」という角度を、最終的には重要視するとのことです。 「都会化されている地域なので、いわゆる田舎的な保守とは一線を画してはいるものの、ウルトラな考え方や言動はしないし、警戒心も抱くんですね」  大阪対名古屋の戦かと思いきや、愛知県内でも火の手があがる今日この頃。ネット世論で全国を巻き込んだバトルはまだまだ続きそうですね。 <文/女子SPA!編集部> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa
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