まさに、お酒に目がくらみ、後先考えずに行動してしまった結果でしたが、さらに追い打ちをかける出来事が起きたそうです。
「『その日は友達と飲みに行っているから会えない』と伝えていた彼氏から突然、スマホに『店の外に出てみて』というメッセが来たんです。トイレに行くふりをして慌てて店から出たら店の前の路地で自転車に乗った彼氏の姿があって、冷や汗が出ました……。彼は、『わざわざ会いに来たんだからちょっと一杯飲んでいく』と言ってきたので、『店が混んでいるので、いったん寄り道してきて』とこの場から離れるように伝えました」
自分でまいた種とはいえ、この窮地をどのように切り抜けたのでしょうか。
「店内に戻り、年下男性に『今日は飲みすぎたので、もう一緒にいられない』『ゆっくり話せないので、また今度』と伝えて、帰ってもらうように頼みました。幸い、あまりお金を持っていなかったみたいなので、長居せず助かりました。
どの人も、実際に飲みに行ってもいいなと思っていたので、ちょうどよい機会だと思ったんです。オールナイトで飲むつもりだったし、夏だから開放的になってしまったのかも」
ちなみに、近くで時間を潰してもらっていた先輩とその後合流、なんとか無事飲み交わすことができたとか。結果オーライというか、なんというか……。
夏は暑さのせいか、いつもよりも気が緩んでしまいがち。ちょっと欲張りすぎたゆえに、招いた黒歴史かもしれません。
―あの夏の黒歴史―
<文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/真船佳奈>