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「コップ洗いは女子の仕事」大学院を辞めた女性が感じた“意味がわからない慣習”

私生活への干渉、論文テーマも全否定…

悩む女性 さらに教授は、梓さんの私生活にまで忠告するようになったそうです。 「私は大学時代から、週に2回ほど雑貨店でバイトをしていました。でも『本当に研究を極めたいならバイトはするな』と私生活まで忠告をしてきたんです。同じ研究室には、社会人とはいえ、働きながら通っている男性もいたのに、バイトだとなぜダメなのか、説明はありませんでした」  研究室という閉鎖的な空間の中で、梓さんは孤立していったそうです。 「肝心の論文は全然読んでくれず、何度論文のテーマを書いても『こんなものろくでもない』、『女は馬鹿』、『お前の経験なんて誰も聞いていない』と、上から目線で通してくれないんです。しまいには、欠かさず出席していたにもかかわらず、所属する研究室のゼミだけ単位が出ず、留年するはめに。これには参りました……」

ついに退学を決意。現在は…

 ひどすぎる仕打ちを受けてしまった梓さんは、自分で退学を決意をしたそうです。 「親は中退には反対し、学費も出すと言ってくれたので悩んだのですが、自分で退学届を書いて修士課程1年で退学しました。いつまでも学歴や、学生という身分にこだわっていたのは、周りの目を気にしていたからだって気づいたんです」  すがすがしい表情を見せる梓さん。退学後はどうしたのでしょうか。 「新卒や院卒採用は受けられないので、未経験から仕事を始めてみました。今は、IT企業で記事を書いたり、企業サイトのプロデュースなどをして働いています。社会に出てみて、教授の態度は、立場を利用した理不尽なことだと気づきました。早くに退学を決めてよかったと思いましたよ」  今いる環境を去ることは、かなり勇気がいることですが、広い社会を見てわかったこともあるようです。  ただ、梓さんが大学で研究を続けていたら、立派な業績を残したかもしれません。   ―私が「手放して」よかったもの― <文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/ただりえこ>
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