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山崎賢人『劇場』での色気がたまらない。イケメン枠→演技派への軌跡

実写化ものイケメン俳優の枠を壊していった

実写化ものイケメン俳優の枠を壊していった近年

『斉木楠雄のΨ難』

 その後も『ジョジョの奇妙な冒険』『斉木楠雄のΨ難』など、やはりコミック原作ものが続いたが、このころには山崎の役者としての芯の強さが感じられるようになっていく。そして宮下奈都の小説を映画化した『羊と鋼の森』では、繊細な人間ドラマを演じてみせた。  またこのころには、テレビドラマでの演技も評価を得ていく。ヒットが続くTBSの「日曜劇場」枠で、役所広司演じる主人公の息子役を演じた『陸王』や、自閉症とサヴァン症候群を抱えた小児外科医役で主演を務めた『グッド・ドクター』(フジテレビ)のころには、イケメン俳優というカテゴリーでは括れない、俳優・山崎賢人として評価されるようになった。
主演した『キングダム』は大ヒットとなった

『キングダム』

 そして大ヒットとなった『キングダム』での主演。山崎は、ヒーローらしいヒーローの信を、全身全霊で体現。「またか」と言われたコミックの実写映画において、自らの力で、そんな声をねじ伏せてみせたのだ

新たなステージに立ち、この先が楽しみで仕方ない役者に

 行定監督の真骨頂ともいえる『劇場』は、ひとりひとり違う人生を歩んでいる私たちの、しかしどこかに「痛さ」を経験してきた多くの観客の胸に侵食してくる。そうした物語に引き込んでみせたのは、剥き出しの主人公を生きる山崎がいたから(もちろん松岡の好演も外せないが)。そして、もがく永田の痛さと繊細さに、かつての自分を見る思いで悶絶する人がいる一方で、この山崎に、たまらない色気を感じる人もいるに違いない。  多くの作品でキャリアを積みながら、外野の声をよそに、着実に力を蓄えてきた。今後もNetflixで配信の、『キングダム』の佐藤信介監督と組む『今際の国のアリス』(土屋太鳳とのW主演)や、行定監督とはまた違った色で恋愛映画の名手と呼ばれる三木孝浩監督が、ロバート・A・ハインラインの小説の映画化に挑むSFもの『夏への扉』が控える山崎。現在25歳。30代、40代とこの先が楽しみで仕方ない役者になってきた。 <文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
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