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星野源、オシャレ化の10年。昔の“予備校生スタイル”から大変身

 先日最終回を迎えたドラマ『MIU404』(TBS)も大好評だった、星野源(39)。本業のミュージシャンとしても、今年ソロデビュー10周年を迎えました。アニバーサリーイヤーを記念して、シングルボックスセット『Gen Hoshino Single Box “GRATITUDE”』が10月21日にリリースされます。  ソロデビューシングル「くだらないの中に」(2011)から、“逃げ恥”ダンスで旋風を巻き起こした「恋」(2016)など、全12作のシングルCDを収録。さらに特典CD、DVDなども加わり、豪華な仕上がりになっています。
星野源公式サイト

星野源公式サイト

星野源、音楽性とファッションが同時に変わってきた

 まさに時代を駆け抜けてきた星野源ですが、興味深いことに気付かされます。それは、音楽性とともに、ファッションも変化していること。国民的な人気、知名度がアップするのにつれて、サウンドと身なりのいずれも、タイトでソリッドになっているのです。
「くだらないの中に」

シングルCD「くだらないの中に」(2011)

 今では、ドラマやCM、MVなどが流れるたびに、「メゾンキツネ(註1)のカーディガンだ」とか「Pilgrim Surf+Supply(註2)のスウェットだ」と、彼の身につけるブランドが、ファンの間で話題になるほど。  そうした流行に敏感な感性が、そのまま音楽にも反映されていて、なおかつ大衆性を得ている点が、星野源の新しさなのかもしれません。 註1:フランスのブランド。レコードレーベル「Kitsune」などを展開するクリエイター集団のファッション部門。フランス国旗のトリコロールをあしらったキツネロゴ入りのボタンダウンシャツが有名。「日清のどん兵衛」のCMで星野源が着ている。 註2:アメリカのブランド。拠点のブルックリンが体現するアーバンライフと、西海岸のサーフカルチャーをブレンドしたカジュアルスタイルを提案。

予備校生スタイルから、音楽も服も洗練されて

 ソロデビュー当初を振り返ると、「くせのうた」(2010)や「くだらないの中に」などでは、パーカーやカーディガンにルーズフィットジーンズの予備校生スタイルで、繊細でありながら、ゆるいフォークソングを歌っていました。  “星野源”と聞いて、まず筆者が思い出すのも、このビジュアルと音楽性なのですね。ちょっと歌のうまい近所の兄ちゃん的な親しみがあったわけです。  これが一変したのが、2015年のシングル「SUN」でした。音の終わりをクリスプに切り落とすシャープな演奏に、ゴスペルのように包み込む詞と曲。かつての内省とは180度異なる、外に向かった表現に豹変していたのです。  こうした音楽性の変化は、星野源の外見をも変えていきました。サイズのバッチリ合ったセットアップスタイルで、パンツの丈はくるぶしでカット。意識的に作り出したシルエットにふさわしい演奏とサウンドの質感。そうすることで、高い精度でメッセージが打ち出せるようになったのではないでしょうか。
SUN(7inch Analog)

「SUN」(7inch Analog)2015

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パーカーの着こなしにも変化
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