――文豪缶詰プランは、今後も売り出される予定ですか。

「
コロナ禍で、数ヶ月先の状況が全く読めず、3ヶ月先までしか予定が組めない状態ですが、しばらくは続けていきたいなと思っています。SNS等に情報が出ることを前提に組んではいますので、内容がある程度わかっていても満足いただけるように、大枠は変えず、少し内容を変えたり、新しいオプションを用意したりしています。先生方それぞれ、プランを利用する目的が違うのが難しいところなのですが、今後も先生方が何を求めて来てくださるのか、と向き合っていきたいと思っています」
――コロナ禍という逆境のなかで、新しい発想で挑戦する老舗旅館の気概を感じました。
「文豪缶詰プランはおかげさまで各所にて話題にしていただいているのですが、やはり修学旅行やインバウンドの団体様が戻ってこず、苦境に立たされているという状況は変わっていません。その中で今できることを考えて、お客様により楽しんでもらえるように、がんばっていかねばと思います。そして、いずれ鳳明館で執筆された先生たちの作品が世に羽ばたき、新しい文豪がこの地から生まれ、本郷が過去から未来へと繋がる文豪の街として活気づけばいいなと願っています」
一見、エンタメ色の強い「文豪缶詰プラン」ですが、そこには鳳明館の歴史とこれからの願いが入り混じっていることがわかりました。
鳳明館はプラン以外の日も、日帰りや宿泊もできるので、都内にいて旅行気分で、風情ある旅館でゆっくりと過ごすのも良いのではないでしょうか。
<文/瀧戸詠未>