EXILE卒業のATSUSHIはソロでいけるか?独特なセクシーボイスで勝負
EXILE ATSUSHI(40)が11月2日でグループからの卒業と、ソロアーティストへの転身を発表しました。
2001年のデビューシングル「Your eyes only〜曖昧なぼくの輪郭〜」以来、20年にわたりEXILEの顔であり続けたATSUSHI。紅白への出場12回、2009年、2010年、2013年と3度のレコード大賞に輝くなど、名実ともに2000年代を代表するアーティストでした。
そうした莫大なセールスと同じぐらい無視できないのが、ボーカルスタイルの影響力なのではないでしょうか。地声の中に吐息の湿り気をふんだんに盛り込んだ、独特のエロさ。
もしもJポップ史を作るとしたら、“ATSUSHI前”と“ATSUSHI後”に分けられるほど、歌い方のトレンドがガラッと変わっていることに気づくはずです。NHKの『のど自慢』や素人カラオケ番組などに出場する若い男性が、みんなATSUSHIのような歌い方でバラードを歌っていた時代もあったほど。“その手があったか”と、目からうろこのスタイルを発明したわけですね。
自身のYou Tubeチャンネルで共演したブライアン・マックナイト(51)や4人組コーラスグループ「jodeci」など本場のR&B歌手とは違った方法論で、太さと甘さを両立させるメソッドは画期的でした。
その違いは、ブルーノ・マーズ(35)の「Just The Way You Are」のカバーを聴けば一目瞭然でしょう。音の粒とエッジが立った、アタックの強いオリジナルの歌に対して、ATSUSHIは目の細かいヤスリで角を丸めていくようなボーカルを聞かせる。演奏やアレンジはほぼコピーなのに、対照的な歌のアプローチのおかげで、楽曲全体のニュアンスが変わってくるのですね。同じ文章を読み上げても、伝わり方が違うといった具合に。
こうしたマイルドなトーンが、筋肉バキバキのダンスパフォーマンスと、うまい具合にバランスを保っていたように感じます。EXILE時代にカバーしたZOOの「Choo Choo TRAIN」(2003年)がヒットしたのも、ATSUSHIのなめらかな歌によってメロディの美しさを再確認できた。ただダンスのBGMとして消費されずに済んだことで、オリジナルと同じぐらいのインパクトを与えられたのではないでしょうか。
地声+吐息、独特なセクシー歌唱法
バキバキな筋肉と、甘さのある声のバランス
1
2