「実は、東京に引っ越してきてしばらくは、月に1回くらいはしていたんです。多くはないけど、大阪時代に比べたらかなり改善されたように思えました。でも、東京で私たちは職場が別々になって、生活がスレ違うようになっていきました。彼の帰りがどんどん遅くなって……だんだん、何をしているのか分からなくなりました。そして発覚したのが、彼の浮気でした」
こちらは、婚約者の帰りが遅くなるという、前述の京子さんとは対照的な状況です。
祐也さんが東京に出てきたのは、仕事で勝負をするためだったはず。しかし、結局何をしたかといえば、ただの浮気。そして心美さんに、婚約破棄の決断をさせたのは、彼と浮気相手とのLINEでした。
「彼が寝ているスキに、スマホをのぞくと、女とのLINEが出てきました。相手の女は私の存在も知っていて、ところどころ
私を馬鹿にしているような発言があって、腹が立ちましたね。“
彼女ともたまにはしてあげて”とか。もちろんすぐにでも追及したかったですけどね。いったん怒りを抑えて、LINEのスクショを撮って、それを彼の親に送ったんです」
いきなり親に送るか!?とも思いますが、もう決断していた心美さんはいち早く第三者の介入を促したわけですね。
「私は、LINEのスクショを送った時点で、“もう彼とは別れることになりました”と告げました。彼の親も仕方ないと思ったんでしょう。申し訳ないと謝られ、彼にはお叱りの連絡を入れたようでした。そのころ彼は家に帰らない日もあったのですが、突然“別れたくない、やり直したい”と言ってきた。でも、どうしても私のプライドが許しませんでした」
親からの説得もあり、祐也さんも受け入れざるを得ず、婚約は解消されました。
「彼の浮気が原因でもあるので、友だちから、“慰謝料もらったほうがいいんじゃない?”と言われて多少交渉はしたんですね。でも、話がこじれそうだったので、とりあえず上京した時に私が立て替えた彼の新幹線代だけもらいました」
前述の京子さん同様、わずかな金額で手を打つことで、あまり大事にならずにすんだようです。
離婚ほどではなくても、婚約破棄も親を巻き込んだり、知人友人に知られたりして、ダメージは大きいもの。2人とも、婚約中に同棲していますが、同棲は破局のリスクがあると同時に、結婚前にお互いの違和感に気づけるというメリットもあります。まあ結婚しちゃってから離婚に至るよりはマシかもしれませんね。
<取材・文/塚田牧夫>