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『恋する母たち』吉田羊に共感!若い男の強引さで“オンナ”が燃えるとき

 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗が出演する連続ドラマ『恋する母たち』(TBS系、金曜午後10時~)。話題の本作を、男女関係や不倫事情について長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
『恋する母たち』

画像:TBS『恋する母たち』公式サイトより

家庭に居場所のないキャリアウーマン

「若い子とくっついて私を捨ててよ。そうしたらあきらめがつくから」  この言葉は、ドラマ『恋する母たち』の優子(吉田羊)が心の中で言ったセリフ。切実なのである。  優子は、売れない小説家の夫とひきこもりがちな高校生の息子との3人暮らし。キャリアウーマンとしてバリバリ仕事をしている。家事や子どものことは夫がすべてこなしているのだ。  彼女がいないところで、夫は叔父がいる与論島への移住を考えている。息子も同調しているのだが、夫も息子も優子が仕事をやめられないとわかっている。  家庭に居場所のない優子。そんなとき部下の赤坂(磯村勇斗)から、燃え上がるような情熱をぶつけられる。たまたま出張先の京都でホテルが同室になってしまい、ひょんなことから赤坂と関係をもってしまったところから、優子の気持ちが揺れ始めた。ホテルではバスルームから出てきた優子を、赤坂は全裸で迎えるのだ。そして言った。「もう我慢できない」と。  一回り以上も年下の男性から、そんな熱さで迫ってこられたら、オンナたるもの受けて立たないわけにはいかない。若い男の情熱を正面から受け止めたら、彼女が今まで築いてきたものはすべて崩れ去ってしまう。それがわかっているから、優子は揺れる。そして自分の中の「オンナ」が、理性を崩そうとするのを必死で押しとどめているのだ。  その気持ちが、冒頭の言葉となっているわけだ。

家事も育児も夫任せというコンプレックス

 バリバリ仕事ができるのに、家庭があって理解ある夫がいて、進学校に通う息子がいる。女性として何もかも手に入れたように見える優子だが、実際には自室にこもって心を開かない息子に悩まされている。人生に「完璧」はないのだ。  家事も育児も夫に任せきりだったことに対して、彼女には大きなコンプレックスがある。男女を逆転して考えた場合、男は家庭を妻に任せきりにすることでコンプレックスは抱かないだろう。オンナは家事や育児を担うべきだと誰もが思っているから、そして優子自身もそう思っているから、苦しくなる。  彼女は常に武装しているのだ。最初はママ友であるまり(仲里依紗)や杏(木村佳乃)にも本音を見せず、会社でも“非の打ち所がないキャリアウーマン”を崩すことはできなかった。そんな彼女の心に風穴を開けたのが、若い赤坂だったのだ。
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優子に共感する声「私も家庭に居場所がない」
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