「わかる、その気持ち」
そう言うのはミエコさん(40歳・仮名)だ。結婚して12年、10歳のひとり娘をもつミエコさんは、
3年前、夫が浮気していることを知った。問いつめると夫は、「たった一度の過ち」だと言い張ったが、彼女は夫と相手の女性のスマホでのやりとりを証拠としてもっている。一度の過ちでないのは明らかだった。

写真はイメージです(以下同じ)
「ただ、私の目の前で彼女と別れてと言ったら、すぐに電話をしたんです。『
きみとは本気じゃなかった。ごめん、もう会わない』と夫が言うのを聞いて、私がそそのかしたにも関わらず、冷たい男だなと思ってしまった。こんなふうに関わった女性を捨てるのか、と」
その後、夫は「
自分にとっていちばん大事なのは家庭だとよくわかった。心を入れ替える」と約束し、実際に早く帰ってきて自分から家事をしたり、週末はミエコさんと娘をドライブに誘ったりと急に「家庭的」になった。ミエコさんに花やおいしいケーキを買ってくることも増えた。

「夫が必死に寄り添おうとしているのがわかるんですよね。それが本心かどうかわからないけど、
私には無理しているように見えるし、そういう夫を見ているのもどこか痛々しいんです。急に卑屈になっている気がして。威張って浮気すればいいということではないけど、謝って反省しているなら、もう少し自然にふるまってもいいのにと思ったりします。でもそう感じてしまうのは、私のほうにすでに夫への気持ちがなくなっているせいかもしれない……」
夫が浮気をしているとわかったから執着もしたが、実際に
夫を取り戻してうれしいかと言われれば「わからない」が本音だとミエコさんは言う。