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感染症から身を守る!“免疫力アップ”の手っ取り早い方法を知ってる?

tyouspaロゴ400  なんだか体調を崩しやすい、風邪やインフルエンザにかかりやすい、肌荒れがひどい、やせにくい……。  その原因、実はあなたの腸の中にあるかもしれません! イラスト1 最近、美容と健康のために「腸」がものすごく重要だとわかってきました。ですが、まだまだ私たちが知らない秘密があるらしい。そこで、腸を知り尽くした「腸活先生」に、本当に効果的な腸活を教わりました。

免疫力アップのカギを握る“酪酸菌”って知ってる?

女性アイコン腸活先生! 「免疫力アップや美容のためには腸を整えろ」ってテレビで見て、私、毎朝ヨーグルトを食べているんですよ。乳酸菌やビフィズス菌は腸にいいんですよね? icon (1)毎日とは、なかなか意識が高いね。確かに、乳酸菌やビフィズス菌には腸内環境を整える働きがあることが分かっている。 女性アイコンでも、イマイチ効果がないというか、肌荒れや便秘があまりよくならないような……。 icon (1) ふむふむ。あなたの腸には、腸内環境のカギを握る“ある細菌”が不足しているのかも。 女性アイコン“ある細菌”って何!? icon (1)それはね、“酪酸菌(らくさんきん)”! 大腸にいて「酪酸」という私たちの体に良い成分を作り出す腸内細菌のことなんだ。その働きについては“腸内のラスボス”として近年注目が集まっているんだよ。 女性アイコンら、酪酸菌が、ラスボス…? 初めて聞いたし、なんだか難しそう。

酪酸は“美と健康のモト”

icon (1)酪酸菌が何かはあとで説明するとして、まずは酪酸の驚くべきパワーの一部を紹介しよう。例えば――。 ・免疫力アップ ・肌荒れ改善 ・ダイエット効果 ・便秘を改善 ・アレルギーの抑制 女性アイコンえっ? 私がいつも悩まされているものばかり! icon (1)フフフ……つまり、酪酸は“美と健康のモト”ってわけ。酪酸が“やせ菌”と呼ばれたりするのは、脂肪を燃やすのを助けたり、食欲を抑えるホルモンを出してくれたりするからなんだ。また免疫細胞に働きかけて、それが結果的に病原体の侵入防御につながったり、他にもいろんなパワーがあるんだよ。

酪酸を作れるのは、酪酸菌だけ

女性アイコン乳酸菌飲料やビフィズス菌入りヨーグルトを摂って、その酪酸ってやつを増やすことはできないの? icon (1)答えは“難しい”。実は、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌にはそれぞれ役割があるんだ。酪酸の量を腸内で効果的に増やすには、酪酸菌が好むエサを与えることが重要だ。
腸内細菌

濃い色が大腸、薄い色が小腸

腸内細菌のはたらき女性アイコンそ、そんな~!! 私の毎日の努力は……。 icon (1)いや、あなたの習慣も決して無意味ではないよ。乳酸菌は、消化管のうち胃の次にある小腸で働いてくれている。腸をお城に例えると、いわば門番のような存在だ。彼らはビフィズス菌が過ごしやすい環境を整えてくれているんだよ。 イラスト2 icon (1)ビフィズス菌は大腸に存在して、酪酸菌が過ごしやすい環境を作る役割。酪酸菌のお手伝いをしてくれる執事のような存在なんだ。乳酸菌やビフィズス菌にそれぞれの働きがあって、わがままな女王(酪酸菌)が酪酸を作る環境が整えられるんだよ。 イラスト3

酪酸菌が少ない腸は“女王不在の城”みたいなもの

女性アイコン女王のいないお城はどうなっちゃうの? icon (1)女王、つまり酪酸菌のいない腸内で、門番(乳酸菌)や執事(ビフィズス菌)だけがいる状況では、酪酸を効果的に増やすことは難しいということだね。 イラスト4 女性アイコンじゃあ、私もまずは腸のお城に酪酸菌クイーンをふやさないといけないのね! でも、酪酸菌なんて今まで聞いたこともなかった。 icon (1)今まで酪酸の知名度が低かった理由は、これまでの培養(育成)技術では研究出来なかったから。科学の進歩で酪酸菌のスゴさが近年、注目されるようになったんだ。

でも、現代人には酪酸が少ない人が多いんです

女性アイコン酪酸のスゴさはわかったから、増やす方法を教えてください! icon (1)ポイントはひとつ! 酪酸菌のエサを食べること。 女性アイコンあ、私知ってる! 腸内細菌のエサって食物繊維よね。……ということは、野菜をたくさん食べればいいのね? icon (1)そうとも言い切れない。欧米食にかたよっている現代人の食生活では、野菜をたくさん食べることを心がけるだけで充分な量の食物繊維を摂るのは難しいかもしれないね。また、酪酸そのものを食物から摂るのは難しいんだ。酪酸はうんちのニオイの成分で、直接口にするのはクサくて仕方がない。だから酪酸菌のエサを私たちが食べることで、お城(腸内)の酪酸菌クイーンにお届けして、酪酸をたくさん作ってもらうわけ。 女性アイコンさすが、わがままな酪酸菌クイーン、なかなか簡単には増えてくれないのね。

酪酸菌を増やす方法がある!その名も“フラクトオリゴ糖”

女性アイコン食物繊維をたくさん摂るのも、酪酸を直接口にするのも、現代人にはなかなか難しいとなると、どうしたらいいの? icon (1)実は最近の研究で、酪酸菌を増やすのは、オリゴ糖の一種である「フラクトオリゴ糖」だということが分かってきたんだ。 女性アイコンフラクトオリゴ糖? また聴き慣れないワード……。 icon (1)オリゴ糖は腸内細菌のエサになって、腸内環境を整える効果がある成分だ。オリゴ糖にはいくかの種類があって、中でも特にフラクトオリゴ糖は、酪酸菌の直接的なエサになり、酪酸菌を効率的に増やしてくれる働きがあるんだ。さらに最新の研究では、フラクトオリゴ糖以外のほとんどのオリゴ糖は直接的な酪酸菌のエサにはならないことが分かっている。

フラクトオリゴ糖を摂るには?

女性アイコンじゃあ、フラクトオリゴ糖はどんな食べ物に入っているの? icon (1)バナナ、にんにく、玉ねぎ、ゴボウなどの野菜や果物に多く含まれているよ。美と健康のためにも、これらの食品を日々の食材選びの参考にはできるね。 女性アイコンわりと身近な食材にも入っているのね。どのくらい食べればいいの? icon (1)フラクトオリゴ糖は1日1g、お腹の調子を整えるためには1日3gの摂取が推奨されている。そこで、フラクトオリゴ糖3gを食品で換算すると……(※) ・バナナ 10本 (1本100gとする) ・にんにく 12玉 (1玉40gとする) ・玉ねぎ 6.5個 (1個200gとする) ・ごぼう 5.5本 (1本150gとする) 女性アイコンそんなに!毎日忙しくて、自炊もできていないし、絶対無理。 icon (1)だったら、フラクトオリゴ糖をそのまま摂れるシロップタイプのものが市販されているから、それを使ってみたらどう? シロップタイプは、コーヒーに入れたり、ヨーグルトにかけたり、使い勝手も良いんだよ。 yogurt 女性アイコンそれならできそう。とにかく、美容と健康のためにはフラクトオリゴ糖をせっせと貢いで、酪酸菌クイーンに腸内で酪酸をたくさん作ってもらうことが大切なんですね。勉強になりました! イラスト5 ※出典:Judith et al.,Food Technology,85-89,1994 日本消化器病学会雑誌 2019;116:224-234 古賀  腸内細菌学雑誌 2002;16:1-10 光岡 (腸活先生:伊藤忠製糖 研究開発室) <文/栄養士・梅原しおり、女子SPA!編集部 イラスト/zzz 提供/伊藤忠製糖>
梅原しおり
早稲田大学人間科学部卒、管理栄養士免許をもつライター。Twitter:@unchieiyoushi
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