それが、緑や青にさしかかると様相も変わってきます。
色がスープになじまないんです。食べ物の中に、アクリル絵の具が混ざったかのよう。一度そう思うと、なかなか意識は戻りません。
細かく浮く、緑の破片(チーズ)に箸が止まってしまいました。何度も言いますが、味はおいしい。味はおいしいんです。
ここからは視覚と精神の戦い。色は見かけ倒し。味は普通。そう自分に言い聞かせながら箸を必死に進めます。しかし……。
チャーシューも、何か病気に冒されたみたいに見えてくる色マジック。結局、3分の2ほど残してギブアップ……どさん子さん、ごめんなさい! 色の刺激に勝てませんでした!
実際ハッピーレインボーラーメンを食べてみて、確かに味もしっかりおいしく、話題性も抜群。ただ、視覚効果で箸が進まないんですよ。
あと、舌の上はおいしいけど、脳みそがおいしいって思わない。充足感は全く得られませんでした。食べ物の色って大事なんですね。
帰り道の正直な気持ちは「
あれはきつい。きつすぎる」でした。
SNS映えも大事かもしれないけど、ぜひ次は視覚的にもおいしいラーメンで勝負してください。おねがいしますよ、どさん子さん……。
<取材・文/山田朝子>