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私立中学は入試で男女比を調整する?女子にとって“平等”な学校選びとは

社会全体でバランスが取れれば

早稲田――男女比を調整することの意味は理解できましたが、現実的に早慶の付属中学から早慶大卒業という学歴が、社会で恵まれた立ち位置につながりやすいことを考えると、女子の生徒数が少ないことを残念に思ってしまいます。 おおた「1つの学校で完全な平等性やフェアネスを担保することは、必ずどこかでジレンマが生じるので、原理的には無理だと思います。それぞれの学校がそれぞれの観点で学習環境を整えて、社会全体としてバランスがとれているようになればよいのではないでしょうか。  ただし、現状ベストバランスになっているかと問われれば、それはわかりません。ベストバランスを探りながら社会としてああでもない、こうでもないと常に揺らぎながら、こたえを見つけていくことが大切だと思います」

さらに議論するべき必要があるのでは

 なぜ、募集人数に男女差をつける私立中学があるのか? この素朴な疑問からはじまった今回の取材。学ぶ環境に多様性があるのは良いことですが、ジェンダーというものさしで考えたときに、なぜ今どき男女で区切るのかという違和感は残ります。  おおたさんが言うように、社会全体で平等にバランスが取れているか、女の子のチャンスが狭められていないか、ウォッチする必要があるように思います。 【おおたとしまさ】 1973年生まれ。教育ジャーナリスト。著書は『名門校とは何か?』『ルポ塾歴社会』『受験と進学の新常識』など多数。 <文/瀧戸詠未> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB
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