大泉洋の紅白司会に期待!アドリブ力を育てた『水曜どうでしょう』神回を振り返る
新型コロナの影響により、世界中が例年とは違う年越しとなり、日本恒例の紅白対抗歌合戦も初の無観客での開催となります。YOASOBI、NiziUなど初出場歌手たちの話題もさることながら、注目は、白組司会を大泉洋さんが務めること!
1996年に、大泉さんと、ミスターこと大泉さんの北海道事務所の当時社長だった鈴井貴之さん、ディレクターの藤やん(藤村忠寿さん)とうれしー(嬉野雅道さん)の4人の“どうでしょう班”でスタートした『水曜どうでしょう』。
意外なことに、第1回は東京で某アーティストへインタビューするという企画でした。これだけでは特段のユニークさはありませんが、企画担当のミスターが、「せっかく東京に来たんだから」と、出た目で次の行き先を決定する「サイコロの旅」を考え出します。
すでにこの時から、大泉さんには「サイコロの旅」企画は秘密にされていました。「水どう」名物である、大泉さんへの“騙し”です。大泉さんは当時現役大学生であり、かなり年上の3人衆を前に、言葉遣いに変化はあるとはいえ、物おじすることなく、急な企画変更に動じることのない反応を見せ、「水どう」は幕を開けたのでした。
2001年に放送された、カナダ旅「ユーコン川160キロ ~地獄の6日間~」では、雄大なユーコン川を前にカヌーに乗った大泉さんとミスターが七転八倒していきます(藤やんとうれしーはカヌーには乗らずボート)。
ここでコーディネーターの熊谷さんと、ガイドとして行動を共にした「ユーコンの男」ことピートがいい味を発揮してくれるのですが、他の海外ロケでも、「必要なのは英語力じゃないんだ、コミュニケーション能力だ!」とそのパワーを見せつける大泉さんの、言葉が通じていないのにも関わらず、ピートとの、もはや会話といっていいやりとりがすごい。「シャラ~ップ!」との大泉さんの叫びの先に、ある種の絆の芽生えさえ感じさせます。
ところで、この過酷な川下り旅によって、アウトドア嫌いだったミスターがアウトドアに開眼。その後の人生にまで影響を与える旅になりました。また、「水どう」の魅力のひとつに、大泉さんの基盤でもあるTEAM NACSのメンバーの出現があり、今や実力派俳優の安田顕さんも、HTBのマスコットキャラクター「onちゃん」のスーツアクターとして度々登場します。
この「ユーコン」編は、安田さんの神回として今も燦然(さんぜん)と輝く「安田さんリバース事件」を含む、「対決列島」編の罰ゲームとして企画されたもの。「対決列島」編での安田さんの天然天才ぶりも注目です。
押しも押されもせぬスター、人気俳優となった大泉さんですが、彼を大きく育てた番組といえるのが、HTB北海道テレビの『水曜どうでしょう』です。いまだ過去作が全国で再放送され、DVDも売れ続け、新作が放たれるたびにニュースに上ります。
紅白の司会という大役に、これまでもさまざまなスターたちが名場面を残してきましたが、「洋ちゃんなら、何が起きても対処してくれるはず。オモシロクしてくれるはず」と期待が高まります。
それも、これまでに数々見せてきた「水どう」での信頼があるからこそ。そんな大泉さんをより輝かせるのは、予期せぬ出来事、ハプニングが起きた時。“ぼやき”ながらも、即座に反応していく対応力の見事さです。というわけで、年越しでの司会ぶりを楽しむ前に、「水どう」での大泉さんの反応力を感じながらプレイバック!
番組スタート当時、まだ大学生だった
必要なのは英語力じゃない、コミュニケーション能力だ!
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