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松任谷由実の紅白出場が、イマイチ話題にならない理由

 紅白歌合戦に松任谷由実(66)が特別企画で出場することが決まり、1981年の名曲「守ってあげたい」を歌うと発表されました(12月22日)。  ユーミン本人も、「私のことだから、一筋縄な出かたはしませんよー。」とコメントを寄せ、楽しみにしている様子。『77億人えがおプロジェクト』で歌われたこの曲が、コロナ禍の日本に再びエールを届けてくれるでしょうか。
ユーミンからの、恋のうた。

45周年記念のベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』(2018、 Universal Music)

松任谷由実の“特別出場”に、反応はイマイチ?

 ところが、ネット上の反応はいまいち芳(かんば)しくない雰囲気なのです。“満を持して後出し発表した割には話題になってない”といった声の他、多くを占めたのが“あの声でちゃんと歌い通せるのか?”という不安でした。  思い返すと、おととしの紅白で歌った「ひこうき雲」と「やさしさに包まれたなら」は、厳しかった。単に高い音が出ないといったパワー不足の問題ではなく、楽曲のイメージを把握するのが困難なほどに不安定だったからです。今年に入って音楽番組に出演した際のパフォーマンスを見ても、残念ながら状況は改善されていませんでした。  熱心なファンからしたら、“あれがユーミンの味”なのかもしれませんが、それ以外の大多数の人は、現状のユーミンでは、音楽を楽しむといった気分になりにくいのではないでしょうか?
守ってあげたい

紅白で歌う「守ってあげたい」のLP。1981年のヒット曲

<松任谷由実の紅白出場年と曲名> ①2005年 紅組「Smile again」松任谷由実 with Friends Of Love The Earthとして ②2011年 紅組「春よ、来い」 ③2018年 紅組「私が好きなユーミンのうた~紅白スペシャル~」 ④2019年 特別企画「ノーサイド」 ⑤2020年 特別企画「守ってあげたい」

「私のことだから」…大物らしからぬギラつき感

 もちろん、そうした音楽的、身体的な“キツさ”は、ある面では仕方ありません。それよりも、気になったのは超大物のユーミンらしからぬ前ノリなやる気です。全盛期には、「おせちを作らないといけないから」と出演を拒み続けた紅白に、ここへきて積極的な関わろうとする姿勢。ここに、ちょっとした違和感を覚えるのですね。  人は変わるものとはいえ、その変わり方に、よからぬ切迫感が漂っている。  たとえば、コメントの「私のことだから」というフレーズからは、いまだに自身が第一線で世間の耳目を集める存在であるとのプライドが感じられます。確かに、出場歌手の中でも抜群の知名度を誇り、ひとつの時代を象徴してきた輝きは記録にも記憶にも残るものです。  けれども、そうした時代を過ぎて、なお“特別枠の私”を強調する言い方をしてしまうのは、大きなブランドが本来かもし出す余裕とは相反するものなのではないでしょうか? キャリア晩年を迎える大御所にしては、ちょっとギラつきすぎのような気が…。視聴者から“歌えるのか?”と心配されている割には、強気で頼もしいと言えばいいのか。
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一歩引いて、若手をサポートする大御所も
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