高嶋ちさ子の夫はなぜ耐えるのか?悪魔的な妻が夫を“進化”させるまで
日本有数のヴァイオリニストでありながら、サバサバした毒舌でバラエティ番組からも引っ張りだこの高嶋ちさ子さん(52)。子ども時代のあだ名が「悪魔」だったそうですが、どう育てばこんな日本人離れしたキャラクターになるのか?そして、しょっちゅう夫婦喧嘩をネタにされている夫(55)は、どんなにガマン強い人なのか?
ダーリンの進化論』(小学館)が今年1月に上梓されました。これまで、音楽に関する本は何冊も出していましたが「高嶋家」の秘密に迫る本は初めて。強烈な母、ダウン症の姉、夫のこと、不妊治療や流産、子育て…といった半生が、笑い8割・ホロリ2割で描かれています。
なかでも多くの女性が興味を持つのが、夫との関係ではないでしょうか。
ちさ子さんはご存じの通り、竹を割ったような性格。一分一秒も無駄にせず、効率的・合理的にものごとを進めたいタイプ。一方で、夫のほうは争いを好まず、休みの日は1日中ゴロゴロ、ダラダラが大好き。お互い全然タイプが違うのです。
1999年に結婚した2人。<この人以外に、私の性格に耐えてくれる人はいない。捨てられたら困る!>(以下、< >内は同書より)と思ったちさ子さんは、交際3か月で「そろそろどうよ?」と自分からプロポーズしたそう。
<うちの夫、出会った頃は品のいい猫みたいな感じの人でした。
人が大勢集まるような場所に行くと、隅っこにちょこんと座ってずっと静かに黙っているような感じ。もちろん、私に逆らうこともありませんでした。それが今では、家事もやり育児もやり、私にも逆らい、時には私を深く傷つけるまでに「進化」しました。>
「進化」の過程では、数限りない夫婦喧嘩や衝突があったそうです。
例えば、こんな笑えるエピソードがあります。
ちさ子さんが長男を出産したときのこと。初めての子育てで大わらわだというのに、夫はずっと会社からの帰りが遅かったのだとか。そしてある日突然、ちさ子さんを銀座の時計店に誘います。
<「どれがいい?」
夫はうれしそうです。すごくありがたいことですよね。店員さんからも、
「ご主人、毎日どれがいいかなって悩まれたんですよ」
と聞いて、その時ばかりは「悪態ばかりついて、悪いことしたな」と反省しました。
「時計ありがとね。しばらくは優しくするね」
夫は会社帰りに私に内緒で時計店巡りをしてプレゼントを選んでくれていたそうです。私もしおらしくお礼を言いました。
(中略)
でも、そんなことをしていたら、授乳中の胸がパンパンに張ってくるし、お腹はすいてくるしで、お店から出て車に乗った時は耐え難くなり、
「お腹が減りすぎて、おっぱいも出ないよ! コンビニでおむすび買ってきて!」
とぶちギレてしまいました。夫が慌てて買いに行ったおむすびを、私がむしゃむしゃ食べながら授乳していたら、
「君の『しばらく優しくする』って3分くらいなんだね」
とちょっと悲しそうでした。>
いやいやいや!ダンナさん、毎日時計店で悩んでるより、さっさと家に帰って手伝えよ!という読者からの総ツッコミが聞こえてきそうです。
夫は天然というか、とてつもなく「いい人」なのです。一方で、ちさ子さんはハッキリものを言うのと同時に、相手への感謝や気遣いもする人だということを、上記のエピソードからも感じました。これが長く夫婦を続ける秘訣なのかもしれません。
そんな疑問に答えてくれる、ちさ子さんの著書『妻に逆らえるまでに「進化」した夫
「君の『しばらく優しくする』って3分くらいなんだね」
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