――余談ですけど、もしもスマホを出してと言われたらどうしますか?
鈴木:別に大丈夫です(笑)。わたし自身はあまりそういうことにこだわらないし、人のそれを見たいとも思わないし、自分のを見せたいとも思わないです。
そんなに、ものすごく人生に関わるような大変は秘密はないと思いますし、だからといっていくらでも見ていいよとも思わないですが(笑)。スマホの中身はわたしの世界だから、何か困るわけじゃないけれど、自分の世界は自分で持っていたいので。それは誰もが同じなのかなと思います。
――今年はドラマ『35歳の少女』で披露したグレイヘアが話題となり、「スーツ・オブ・ザ・イヤー2020」での受賞、初となるエッセー集『獅子座、A型、丙午。』も刊行され、かなりの活躍でした。今の状況は、ご自身としては、どう受け止めていますか?
鈴木:たまたまいろいろな時期が重なったということが大きいというか、何か作為的にそうしたということではないんです。ドラマの『SUITS/スーツ2』もシーズン2でしたし、シーズン1があって、今年2ができることになってという。今年だけ頑張ったというよりは、数年前からの蓄積が重なっただけなんですね。もちろんそれは、自分にとっては喜ばしいことなのですが、いただくお仕事ではありますし、自分が頑張ってきたことがかたちになってきた。自分ひとりではなく、スタッフたちと一緒に仕事をしてきて、みんなの努力が形になってきたような気がします。
――今後の抱負はありますか?
鈴木:いま、単純にお芝居がとっても楽しいんです。どういう役でも難しくて落ち込みもしますが、それでさえも、そういう状況になれること自体がありがたいと思うんです。いまはお仕事をいただけるだけでありがたいこと。なので、抱負というよりは、どんな作品、どんな役でも、大変だと思うのではなく、大変なことさえも「面白いな」という姿勢で取り組んでいこうと思っています。
<取材・文/トキタタカシ>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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