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霜降り、マヂラブら学生お笑い出身がM-1連続優勝するワケ

 マヂカルラブリーが優勝したことが記憶に新しい『M-1グランプリ2020』(テレビ朝日)。
 ここ数年のM-1優勝芸人にはある共通点があるといわれています。それは、NSC(吉本総合芸能学院)などの芸能事務所の養成所ではなく、学生お笑いシーンの出身者だということ。  マヂカルラブリー(2020年優勝)、ミルクボーイ(2019年優勝)、霜降り明星(2018年優勝)は、いずれも高校生や大学生の頃から学生お笑いで活躍し、養成所に入らずオーディションを経て吉本興業に所属しています。

なぜ学生お笑い出身芸人は強い?

 この3組以外にも、大学のお笑いサークルに所属していた若手芸人が多数活躍しています。  例えば、早稲田大学「お笑い工房LUDO」からはひょっこりはん、にゃんこスターのアンゴラ村長、ハナコの岡部大。大阪芸術大学「落語研究寄席の会」からは、ミルクボーイ、ななまがり、空気階段の鈴木もぐら。上智大学「お笑いサークルSCS」からはラランドなどです。
 学生お笑い出身の芸人が賞レースで活躍する理由をお笑い評論家のラリー遠田さんにうかがいました。 ――学生お笑いシーンは近年レベルが高くなっているのでしょうか? 「私自身も学生芸人のお笑いコンテストの審査員を務めたこともありますが、レベルは年々高くなっていると思います。今は各大学にお笑いサークルがあり、自分たちが主催するライブやコンテストなどを通じてサークル同士の交流も盛んです。その中で学生芸人同士で切磋琢磨することで芸を磨いているのだと思います」(ラリー遠田) ――なぜ、ここ数年の学生お笑い出身者が賞レースで活躍しているのでしょうか? 「お笑いサークルで活動をしている学生は、デビュー前からプロの芸人のような経験を積んでいるため、基本的な技術レベルが高く、舞台慣れしているという強みがあります。 スポーツの世界でも学生のときに活躍している人がプロに入ることがあるように、お笑い界でも学生とプロが地続きになりつつあるのです」(ラリー遠田)  では、賞レースで活躍する3組のこれまでの軌跡を紐解いてみましょう。

霜降り明星 高校生のお笑い賞レースで出会った若き天才芸人

『M -1グランプリ2018』優勝の霜降り明星は、ツッコミの粗品(28)が高校1年生で『R-1ぐらんぷり』に挑戦し、せいやが小学生からテレビ番組で漫才をするなど、お笑いの才能を発揮していました。  そんな2人が出会ったのは、高校生お笑いNo.1を決める「ハイスクールマンザイ」。粗品は高校2年生の時、同級生とコンビを組み決勝進出を果たしました。せいやはその翌年の2010年に高校3年生で初出場し、近畿地区予選で2人は初対面し交流がスタートします。  その後、粗品は同志社大学、せいやは近畿大学へそれぞれ進学。粗品は大学1年生で吉本興業のオーディションを受け、ピン芸人として所属することになりました。  せいやは国語教師を目指し大学生活を送っていましたが、粗品から熱烈な誘いを受け、「粗品の相方」として吉本興業に所属することに。  しかし、粗品はピン芸人として史上最年少で『2012年オールザッツ漫才』のFootcutバトルに優勝するなど、すでに「若き天才」として評価されていたため、せいやは吉本入りした当初「粗品が連れてきた素人」だと周囲から芸人としてなかなか認めてもらえず、大変な苦労を重ねることになりました。  そんな2人は「M-1グランプリ2018」で史上最年少で優勝します。今年4月からは初のゴールデンタイムのMCを務めることが発表されており、若手芸人を牽引(けんいん)するコンビとしてますます期待が高まっています。
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大阪芸大1年で結成した「ミルクボーイ」
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