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バカリズムが語る結婚後の変化「昔はモテたいとかあったけど」

「俺、全然だな」と思った瞬間

_5GK1258――今の課題は何ですか? バカリズム:理想は、もっと作品を量産していきたいですね。書くスピードを早くして、もっと数を書きたいなという感じです。現役の間にどれだけの数の作品が残せるか、みたいな。いろいろな種類の笑いが作れるか、というのもありますかね。振り返ったときに「わー作ったなあ」って思いたい。まだまだ全然だなって感じがしますね。 ――その時のために頑張るという(笑)。 バカリズム:普段は意識していないのですが、頭のどこかにそれはあります。昔からマンガ家になりたくて、手塚治虫先生がすごく好きだったんですよ。手塚先生が生涯で描いた原稿の枚数が、とてつもない量だったんですね。それを知ったときに「俺、全然だな」って思って(笑)。しんどいとか言っていられないな、とにかくいっぱい描かなければいけないなと。 ――ネタも脚本も芯は同じとは言われますが、ドラマでの仕事経験がお笑いにフィードバックしていることは? バカリズム:ありますね。脚本を書くようになってから、単独ライブの長い尺のコントの書き方がちょっと変わりました。構成や組み立てが上手くなったというか、昔は長い尺のコントに苦手意識があったのですが、短いコントのほうが、時間がかかるようになった。長いほうが一気に書けちゃう。無意識なところでなんとなく物語の展開のさせ方とか、組み立て方は上手になったのかなと思います。  あとはとにかく書くスピードが早くなりましたね。それはもう経験なんですけど、ドラマにしてもコントにしても書くスピードが年々上がっていっているような感じはしますね。

趣味はファミコンやジャンプを競り落とすこと

『劇場版 殺意の道程』より

『劇場版 殺意の道程』より

――今回の『殺意の道程』もそうですが、視点が独特ですよね。お笑いを追求するために努力していることはありますか? バカリズム:努力する時間がないというか、仕事そのものが努力なんですよね。脚本を書くために、普段、ドラマをたくさん観ているわけでもないんです。結局、実践じゃないですか。よりお仕事をしている人がどんどん上手くなっていくものだと思います。現場で仕事をしている人がどんどん面白くなっていくものなので、普通に仕事をすることが努力になっているのかなって思います。現場で吸収です。たぶん、身につかないタイプなんですよ。  一時期、いろいろと言葉を知っておいたほうがいいと思って、言葉の意味とかを調べるようにしていたんですけど、結局一個も覚えていないですからね。それよりも趣味で読んだマンガの言葉がふとしたところで出てきたりするし、それが面白かったりするから、意識していないほうがいいのかもしれないですね。 ――ちなみにマンガ以外で最近ハマッていることは? バカリズム:40歳過ぎてから懐かしいものにハマるようになって、小学校時代に買えなかったファミコン、当時の『週刊少年ジャンプ』とかをヤフオクで競り落としています。別にプレイするわけじゃないけれど、パッケージや表紙を見て“じわっ”としています。当時のことを思い出すものを集めていますね。そんなことばかりしています(笑)。当時買ってもらったという喜びを、もう1回呼び起こしてノスタルジーに浸るみたいな。それが一番楽しいですかね。
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