「自分史ノート」があるなら、きっと仕事のことばかり
――ところで仲野さんに「身分帳」のような「自分史ノート」があるとしたら、どんなことが一番書かれていると思いますか?
仲野「仕事のことばかりでしょうね。13歳くらいから仕事をしてきて、思春期もずっと仕事でしたし、
片時も頭から離れたことがありません。仕事関連が多いでしょうね」
――その仕事関連というのは、たとえばすごく感動した出来事とか、反省点とか、どんな内容が多いと思います?
仲野「プライベートでも、仕事でご一緒した人とお酒を飲むことが多いんです。だから、そうした人たちと、こういう話をしたな、ああいう話をしたなという内容が多いんじゃないかな」
――その際の、失敗談的なエピソードはありますか?

『すばらしき世界』より
仲野「先輩方と複数人で飲みに行ったお会計のとき、すごくよくしてくれている、とある先輩から、もっと上の、僕より10個くらい年上の先輩に膝カックンというか、『軽く蹴っちゃえよ』みたいに言われたんです。僕も酔っぱらっていたので、『大丈夫、大丈夫』と言われて、蹴るというか、本当に軽くチョンっとやったら、めちゃめちゃ怒られまして(苦笑)。1次会で帰されました。まあ、当たり前なんですけど。蹴って良いはずがなかった(苦笑)。ちゃんとそのあと謝って、許してもらいましたけどね(笑)」
――許してもらえてよかったです(笑)。仲野さんの出演作は本当にバラエティに富んでいますが、作品は何か意識して選んでいるのでしょうか?
仲野「自分が誰と仕事をしたいか、何をやりたいか。企画だったり人だったり、何か惹かれるものがあるかどうかです。タイミングや巡り合わせによって、その判断が変わることももちろんありますが、それはそれでいいのだろうと思います。
ただ、自分が選んだとちゃんと言える、責任を取れる作品を選んでいます」
(C) 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
<文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi