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ネットの“炊飯器レシピ”でヤケドの危険も!炊飯器の謎をメーカーに聞く

 コロナで外食を控える中で、「炊飯器」の出番が急に増えたという人も多いのではないでしょうか。  水とお米を入れてスイッチを押せば、ご飯を炊いてくれる炊飯器。使い方は単純明快のようですが、実は意外にも「間違った使い方」をしてしまっている人も多いとか。たとえば「お米の上に、ラップに包んだ野菜や肉を入れて一緒に蒸す」という調理法。これ、機種によっては大変危険なんです!
炊飯器レシピ

「炊飯器レシピ」の中には危険なものも。※写真はイメージです(以下同じ)

 今回は、象印マホービンの広報部・濱田捷彦(はまだかつひこ)氏に、炊飯器にまつわる様々な疑問について直撃。危険な使い方から日頃のソボクな疑問まで、女子SPA!編集部員たちからの質問へ一気に答えてもらいました!(以下、コメントはすべて濱田氏。「同社が製造販売する炊飯器に限定しての回答」ということで取材しています)

実は危ない! 説明書に記載のない「炊飯器レシピ」

――ネット上で「炊飯器レシピ」をよく見かけますが、これって炊飯器の使い方としてはOKなんでしょうか? 「多くのレシピ本やメディアで『炊飯器レシピ』が紹介されていますが、説明書に記載のない調理、メーカーが検証を行っていない方式ですと、事故が起きても保証ができなくなってしまいます。  とくに、『水に浸したお米の上にポリ袋や食品用ラップフィルム、アルミ箔で包んだ食材を置いて炊く』のはかなり危険。圧力が外へ抜ける際に包んだ食材が蒸気の通路をふさいでしまうので、吹きこぼれの原因になるからです。  また、『圧力をかけるタイプの炊飯器で、分量の増える練り物(はんぺん)や豆類を主に使っての炊き込みご飯』も絶対に避けてください。炊飯中に食材が膨張して蒸気孔をふさいしまう恐れがあります。そうすると蒸気が逃げ道を失い、炊飯中にフタが開いてしまうことも。近くにいたら高熱の蒸気でヤケドをしかねないので、これもメーカーとしては禁止したい使用方法です。  もちろん炊飯器によっては調理コースがついていて、お米を炊く以外の調理ができる機種もあるので、必ず取扱説明書をご確認のうえ、『炊飯器レシピ』にトライしてください」 マニュアル 濱田氏によれば、「弊社商品に異物を入れたことで、重大な事故につながったという事例はございません」とのこと。ですが、今後は必ず取扱説明書を確認してから使用します!

ご飯を炊く前に「◯分以上水に浸す」って必要なの?

――お米を買うと米袋の裏に「お米を◯分以上水に浸してから炊飯」と記載されていることも多いですが、これってどの炊飯器でも必要なんでしょうか? 「象印の炊飯ジャーに関しては、炊飯ボタンを押した時点で“浸水”から蒸らす工程までが一括してフローとして入っています。なので、『お米を◯分以上水に浸す』という工程は炊飯器にお任せください。  たしかに昔ながらのご飯の炊き方では、ご家庭でお米を一定時間浸水させ、炊きあがったら蒸らしてから撹拌(かくはん※混ぜること)するのが一般的だったかもしれません。でも今の炊飯器ではお米を水に浸したらすぐに炊飯ボタンを押していただいてOKということを、もっと知っていただきたいですね」 炊飯器の中の炊きたてのご飯――「ごはんが炊きあがったらすぐにしゃもじで混ぜる」と母親に教わり今も実践していますが、もしかしたらこれも古いですか!? 「メーカーとしても、炊きあがりと同時に撹拌する(混ぜる)ことを推奨しています。  最初は炊飯器の中のごはんを十字に切り、4分の1ずつ内釜のなべ肌にそって大きく起こします。しゃもじを立ててかたまりを切るようにほぐしてください。ごはんをほぐすと余分な水分が飛び、全体をムラなくふっくらさせることができます!」  筆者は炊きあがり音を無視して数時間放置したあとに炊飯器のフタを開けたところ、表面がカピカピに乾いてしまっていた経験があります。急いでほぐしましたが、時すでに遅し。カピカピごはんとふっくらごはんが混ざり合い、なんとも微妙な味のごはんを食べきるハメになりました……。
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炊飯器の「保温機能」って、お米カピカピにならないの?
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