夫をがんで亡くして1年。「私の中に夫は生きている」と確信した瞬間
筆跡アナリストで心理カウンセラーの関由佳です。2020年の2月にがんで夫を亡くし、先日ついに一周忌を迎えました。長かったような、あっという間だったような……コロナ禍という異常事態もあり、この1年は時の流れが今までとは少し違うように感じています。
【夫のがんが発覚した日】⇒脳梗塞で倒れた夫にがんまで発覚。病室で“夫の切ない一言”に号泣
一周忌を迎えるにあたり、私が選んだ法要の方法について、またこの1年間夫とどう向き合ってきたかについて、つづっていきたいと思います。
夫の墓は私の住む東京からかなり遠い地方にあり、納骨もコロナ禍ということで夫の親族に任せる形となってしまったため、参列することができませんでした。初めてお墓参りに行けたのも10月に入ってから。お盆の時期も、新盆にも関わらず何もできず、家でひっそりお菓子を供える程度のことをしただけ。ずっと「夫に何もできていないな」と感じていました。
とはいえ、今年の2月はまだ緊急事態宣言の真っただ中。すでに昨年の年末辺りからコロナの感染者数が増えていたこともあり、とても法事など密になるようなことはできないと思っていました。でも自分の気持ちとしては、一周忌の法要はどうしてもしたい……。どうしたものか、と思いいろいろと調べていたところ、お坊さんだけを派遣するスタイルの法要が可能ということを知りました。
その会社に問い合わせたところ、法要をお願いするお金さえ用意すれば、家にお坊さんが来てお経を読んでくれるとのこと。私の家には仏壇も位牌もなく(すべて夫の実家にあります)、メモリアルスペースに遺骨のかけらと写真があるだけなのですが、それでも問題ないということで、すぐに申し込みをしました。
費用は45,000円。私としては高いか安いかが問題なのではなく、私一人でも法要をしてもらえるということに大変価値を感じたので、この価格で即納得できました。
そして一周忌法要の当日。普通の一人暮らしのアパートに袈裟を着たお坊さんが訪ねてきました。なんとなく客観的に見てシュールな状況に思えましたが、来ていただいたお坊さんはとても親切な対応で、丁寧にお経を読んでくださいました。
とはいえ、焼香も一人しかいないので、お経を読む時間は10分程度。その後お坊さんにいろいろなお話をしていただき、気づけば1時間ほどご滞在いただきました。でも結果的に、とても有意義な時間でした。
やはり今はコロナ禍ということもあり、少人数・短時間で法要をされる方が多いようで、お坊さん派遣のスタイルはかなり需要が高まっているとのこと。葬儀や法要のやり方に本当は決まりがないそうで、その人が故人を想って弔ったり思い出したりすることに意義があるのだとお話しくださいました。
考えてみれば、生物の中で亡くなった者をずっと想い続けられるのは人間だけ。やはりその縁や気持ちはこれからも大事にしたい、と改めて感じました。
一人でできる「お坊さん派遣型」の一周忌法要

夫のお墓参りに行ったときに撮ったお墓の近くの風景です。のどかでとても気持ちのいい場所で、ここで夫がのびのび過ごせていることに安堵しながらも、都会が好きだった夫がそろそろ「退屈だ」と言い出しているような気もして複雑な気持ちでした。
方法には決まりなんてない! 故人を想うことに意義がある
1
2