夫をがんで亡くして1年。「私の中に夫は生きている」と確信した瞬間
自分の中に夫は生きている……
未来を見られるようになるにはそれぞれの時間がある
ときに「さすが、立ち直るの早いですね」と言われることもあります。実際、一般社団法人日本グリーフケア協会会長で自治医科大学看護学部教授の宮林幸江氏の研究によると、配偶者を亡くした人が自分らしく生きられるようになるには、平均で4年半かかるといわれています。そのデータからすると、たしかに私は早いように見えるかもしれません。
でもこれはあくまでデータであり、状況も生き方も性格も人によって違うので、当然個人差があること。早かろうが遅かろうが、まったくおかしなことではなく、その残された人がどこかのタイミングで未来を見られるようになればそれでいいのです。この年月に縛られることはありません。
喪失感から立ち直るには「時間が解決する」という言葉がよく聞かれますが、正直そんな単純な話ではありません。もし、身近な方が大切な人を亡くして長い期間落ち込んでいたり、すぐに立ち直ったように見えたりしても、その方にはさまざまな苦悩があるはず。どうかその時間を否定せずに、受け止めて話を聞いてほしいと切に願います。
―シリーズ「私と夫の1063日」―
<文/関由佳>
【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ 1
2



