子どもへの性加害者は、親を油断させ信頼を得てしまうことも。小児科医が教える“性被害を受けた子が出すサイン”とは
『小児科医「ふらいと先生」が教えるみんなで守る子ども性被害』(集英社インターナショナル)を上梓した小児科医の今西洋介先生。X(旧Twitter)では、「ふらいと先生」の名前で小児医療や福祉の問題を発信しています。
前回は今西先生に、小さな子どもの性被害の特徴や、子どもの性被害を防ぐためには5歳からの性教育や「同意の学習」が大切であることをお聞きしました。
今回は、性加害者の行動の3つの特徴や、性被害を受けた子どもが出すサインについて伺います。
【関連記事】⇒1日に1000人以上の子どもが性被害に!「先生にもノーを言ってもいいよ」と教えるべきワケ
――子どもの性被害を防ぐために、プライベートゾーンについて教えたり、「同意の教育」をすることは非常に重要だというお話しですが、性被害に遭ってしまった場合のことは、子どもにどう話せばいいのでしょうか。
今西洋介先生(以下、今西先生):子どもが性被害に遭った時に、「プライベートゾーンを触らせてはダメと言われていたのに、触られてしまった」と、自分を責めてしまうことがあると思います。
そのため、性被害に遭った場合のことに限らず、「どんなことでもママやパパに言ってね、怒らないからね」と必ず伝えておいた方がいいと思います。
日頃から、良いことも悪いことも話すことができる親子関係を作ることが大切です。
――内気なタイプの子どもに対しては、どんなことに気をつけてあげるべきですか?
今西先生:普段からその子の様子を把握することが大切だと思います。その上で、「何だか様子がおかしいから話を聞いてみよう」とか、「言えないようだったら、こんな風に聞き出してみようかな」など、それぞれのご家庭で培われてきたコミュニケーションの方法を試してみるといいかなと思います。
――他にも、親がするべきことはありますか?
今西先生:両親が子どもの性被害について普段から話し合っておくといいと思います。しかし、「夫に話しても聞いてくれない」というお母さんの声をよく聞きます。「そういうのは妻に任せているから」というお父さんは多いです。
性被害に関しては、現実問題として母親の方が気がつきやすいです。母親は子どもを近くで見守る役割を担っていることが多く、性被害に遭いやすいジェンダーでもあるので、異変に気付いた母親から医師などへの相談で子どもの性被害が発覚することが1番多いです。お父さんはそれほど敏感ではないことが多いです。
私がこの本を書いた理由の1つが、男性にも子どもの性被害について知ってもらうことです。男性には数字から入ると説得力が増す傾向があるので、様々なデータを用いて書いています。まずは、「この本を読んでみて」と勧めてみてほしいです。
最近は離婚する家庭が多く、子どもが面会交流で行き来するケースもあると思いますので、元配偶者の方に本を渡すことで知識を共有することもいいと思います。
日頃から何でも打ち明けられる親子関係を作っておく
夫婦で話し合っておくべきこと
1
2




