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東京五輪「ブタ演出案だけで騒ぎすぎ」と言う人が、見ようとしない闇

演出チームを降ろされた女性3人

 こういった演出チームをめぐるゴタゴタを、組織委員会はまったく明らかにしてきませんでした。その一部始終を報じたのが、今回の文春砲だったわけです。  2018年7月に発表された演出チームは、野村萬斎(能楽師)をチーフに、山崎貴(映画監督)、川村元気(映画プロデューサー)、MIKIKO(振付師・演出家)、椎名林檎(ミュージシャン)、栗栖良依(障がい者イベントの女性プロデューサー)、佐々木宏、菅野薫(電通)の8人(敬称略)。  ですが、2020年12月23日、組織委員会は公式サイトで突然、「演出企画チームついては、その任を終え、新たな体制に引き継がれることになりました」「佐々木宏氏を4式典の総合企画・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター(ECD)として改めてお迎えします」と発表しました。開催7ケ月前に演出チーム解散とは、異常事態でしょう。
椎名林檎

椎名林檎『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』

 この時の記者会見で、佐々木氏自身が「MIKIKOさんを中心にギリギリまで制作し、リハーサルという段階だった」と話しています。   「MIKIKOさんだけでなく、椎名林檎さん、栗栖良依さんという3人の女性が、演出チームから消えた。佐々木体制のスタッフは、男性ばかりだといいます。文春が報じたように、その裏に組織委員会や森喜朗氏らの意向があったなら、これこそブタ演出案以上に、リアルな女性軽視かもしれません」(週刊誌記者)

165億円まで膨らんだ開閉会式予算の謎

 文春報道を受けて3月18日、組織委員会の橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長が記者会見をしました。  MIKIKOさんの辞任理由については、「それぞれ思いがありますので、申し上げる立場にない」と明言を避けました。  また、佐々木氏が謝罪文の中で、「4式典で予算は5分の1、10億円」と書いたのが事実か問われると、「我々が提示した開閉会式の予算は165億円」と回答。差額はどこにいっちゃうのでしょうか。  開閉会式の予算上限は、招致段階では91億円。演出が具体化した2019年には、130億円に増額。そして、2020年12月にはさらに165億円に増額。これだけつぎ込みながら、責任者が二転三転し、そのゴタゴタの理由も説明されない。そもそも人選は正しかったのか。
リオオリンピック

リオ五輪閉会式での小池百合子都知事。まさかこんな未来が待っていたとは(C)Celso Pupo Rodrigues

 もしかすると、世間が「渡辺直美をブタにする演出案」だけでワーワー騒いでいるのを、当局はホッとして見ているかもしれません。それ以上の闇を、追及されないですむのですから。 <文/女子SPA!編集部>
女子SPA!編集部
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