
切り口を上にしてしまいがちなキャベツ。実は逆なんだとか
野菜室は3~7度と冷蔵室よりもやや高めの温度帯に調整されています。多くの野菜はここに入れるのが良いと言われていますが、切り口の向きや置き方によって日持ちが変わります。
例えばキャベツ。カットしたものをラップで包み、ポリ袋に入れて、切り口を“下”にするのがポイント。でも、ラップをしてさらにポリ袋……これって毎回使い捨てて消費することに疑問を抱くこともありますから、使いまわしができるラップを使うなど、工夫をしたいところ。また、安いラップ(ポリエチレン製など)は酸素を通してしまうので、呼吸抑制にはなりません。
他にもネギは、垂直方向に成長する野菜なので、寝かせておくと立ち上がろうとしてエネルギーを消費するので、立てて保存しましょう。乾燥を防ぐために、3等分にカットして、水で湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて立てるのがベター。

ネギは乾燥を防ぎ、立てて保存
<野菜室での保存例>
白菜、大根:カットしたものはラップで包み、ポリ袋に入れる
かぼちゃ:カットしたものは種とワタを取り、ラップで包む
トマト:ヘタを下にしてポリ袋へ入れる。冷やし過ぎに注意
アスパラガス:ポリ袋に入れて立てる
ほうれん草、小松菜:湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて立てる

しいたけ、しめじなどのきのこ類は、野菜室ではなく冷蔵室(2~5度)へ。石づきをつけたままキッチンペーパーでつつんで、ポリ袋に入れましょう。えのきたけは開封しないままの保存が推奨されています。
最後に、これからの時代大切にしていきたいのは、野菜を使い残すことなく美味しく食べきることは食品ロスの低減につながるということ。そして、むやみにポリ袋やラップを乱用するのではなく、環境配慮の視点を持つことだと思います。
無駄なく野菜をおいしく味わうために、みなさんにとって保存方法のヒントになれば嬉しく思います。
参考:食と農の情報誌「Apron」2021年3月号 美味しく鮮度を保つ【野菜の保存方法】
<文・撮影/スギアカツキ>