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「寂しいから」だけでペットを飼っていい? コロナで起きるペット問題

お金だけじゃない!ペットを飼う上で必要な時間と家の広さ

「ペットを飼う上でお金は絶対に考えて欲しいですが、意外と知られていないのが、飼育スペースの問題です。動物行動学では、犬1頭と人間1人が衣食住を共にしてストレスを感じない広さは8畳と言われています。つまり、一人暮らしで犬を飼いたいのであれば、8畳以上で暮らすことが求められます。また多頭飼育であれば、1頭当たりプラス2畳。一人暮らしで2頭飼いなら10畳、3頭なら12畳といったイメージです。 犬 この数字は動物行動学では当たり前の情報です。しかし日本は国土が狭く広い物件があまりない関係上、ペット業界はこの情報をあまり公にしていません。ただ狭い住宅では人も動物もストレスになるので、新たに飼う方は意識する必要があります。  また時間についても犬猫でそれぞれ異なります。犬だと朝晩の散歩とグルーミングで、約2時間の捻出が理想です。猫の場合は毎日30分ほどグルーミングやスキンシップの時間を取ってほしいです。ただ、猫の場合はテレビなど観ながらでも出来るので、ハードルは低いかもしれません」

万が一飼えなくなった場合を考える

 最後まで飼う心構えは大前提であり、正しい情報を元に自分が飼育可能かどうかを考える。「寂しいから」「かわいいから」と感情で動くことだからこそ、冷静に判断することが大事です。 「私個人の意見ですが、自分に万が一のことがあっても、ペットを路頭に迷わせない準備は何が出来るか、楽しい時ほど事前に知っておくべきだと思います。例えばある保険会社は、飼い主が亡くなった場合、次の飼い主を責任持って探してくれるプランがあります。  また知人や親族に事前に声をかけておいたり、エンディングノートに記しておくのも良いかもしれません。飼い始めの段階では『飼えない』という想定は出来ないですが、限界まで自分が無理をして飼うよりも、ペットにとっての1番の幸せを適切に考え、行動できることが本当の優しさであり、重要なのではないでしょうか」 【取材協力】HONEY PETS/代表・北本友紀枝 動物福祉先進国のドイツで学んだ動物行動学・心理学を活かし、動物と動物を愛する人々の暮らしのサポートを目的にHoneyPetsを設立。ペットシッター、ペット介護士、グリーフケアアドバイザーとして活動する他、NPO法人日本ペットシッター協会にて養成講座の講師も務めている。 <取材・イラスト・文/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518
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