ドイツ人が見た『エヴァンゲリオン』のヒロイン像。アスカがしんどい/マライ・メントライン
3月8日『新劇場版』(『序』『破』『Q』)シリーズ完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(正式には末尾にリピート記号)が公開、大ヒット中です。
今般公開の劇場版でめでたく完結したエヴァンゲリオンシリーズは、宗教的なモチーフをちりばめながら展開される壮大な哲学心理ドラマであり、本場キリスト教哲学的国家であるドイツの人から見てあれはどうなんだ? あと文化考証的にアスカの設定とかはアリなのか? としばしば訊かれるけど、はい、アリです。ぜんぜんアリです。
ぶっちゃけ宗教的要素どうのこうの以前にキャラクター自体が哲学的モチーフとして妙な力を放っていたので、私や周囲のドイツ学生たち(のうちオタク適性がある者たち)は議論の深みにハマりながら萌えまくっておりました。
エヴァに登場する女性キャラクター造型の何が凄いかといえば、男性のエゴの中に存在する女性像を、あきれるほど的確に描き抜いているという点です。ゆえに男性視点とは何か、というテーマが逆照射で奥底まで浮き彫りにもなる。このへんは好き嫌い分かれるところかもしれませんが、筆者は大好きです。
ドイツ人としてテレビコメンテーターも務めるマライ・メントラインさんが「旧TVシリーズ版以来のファン」を表明しながら注目するのは、ヒロインたちの変化。綾波、アスカ、そして新ヒロインの誕生!? 女性たちの『シン・エヴァ』を考察します。(以下、マライ・メントラインさんの寄稿です。個人の考察であり公式のものではありません。)