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人気ドラマの出演女優、多重人格を告白「記憶の一部がない」

 1990年代に一世風靡した海外ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』の続編として、2008年から放送された『新ビバリーヒルズ青春白書』。その“新ビバヒル”に出演し、美人女優として注目を浴びるようになったアナリン・マコード(33)が、解離性同一性障害を患っていることを明かした。アナリンはこれまで、幼い頃に虐待や性的暴行を受けたことや、10代で友人男性にレイプされたことを告白、さらに「過去の記憶の一部が抜け落ちている」と打ち明けていた。

役を演じることで、障害に気が付いた

アナリン・マコード

アナリン・マコード

 このたび、有名精神科医ダニエル・エイメン博士とのインタビューに登場したアナリン。これまでに自分の中にいくつもの人格が現れる解離性同一性障害(かつては多重人格障害と呼ばれていた)と診断されたことを明かしたうえで、役者という仕事によってその障害に気が付いたと話している。 「私が演じてきた役柄はどれも分裂していた。『新ビバヒル』までは、そのことには気づいてもいなかったけど」  しかし、2012年のホラー映画『エクシジョン』を撮影している時に、「何かがおかしい」と気づいたそうだ。 「私は、知性的だけど不安定で、ちょっとおかしな感じの女の子を演じたんだけど、そのキャラクターが自分の内面とすごく近いと感じたの。自分をさらけ出して、ラクになったような気分だった。気づかないうちにトラウマを再び経験していたのかもしれない」  アナリンがポーリーンという女の子を演じたこの映画は、『新ビバヒル』の合間に撮影していたという。 「この映画の撮影を午前2時に終えて、翌日の正午にはビバリーヒルズに住む金髪のセクシーな女の子にならなければいけなかった。ちょっと普通じゃなかったわよね」 「だから(ビバヒルの)キャラクターになりきれなかった。私は映画でのポーリーンというダークな役柄にどっぷり浸かっていて、抜け出せなくなっていたの」
 役を演じることで、本来の自分、そして自分の中にある別人格の存在を意識するようになったというアナリン。けれども、自分がこうした症状を持つようになったことを恥じてはいないと語る。 「自分の人生において、恥じることなんて何もないわ。私たちが抱えているトラウマがどれだけ恐ろしいものか、それを明らかにして、向き合うことができるようになるのよ」

虐待や性的暴行のトラウマで一部の記憶を失った

 アナリンは2014年、米女性誌『コスモポリタン』で幼い頃に受けた虐待や10代の頃に経験したレイプ被害について告白している。  アナリンは米南東部に生まれ、信仰心の強い厳格な家庭で育った。両親のしつけは厳しく、お仕置きのときには物差しやパドル(カヌーなどで使う櫂)を使って尻をぶたれたという。 「両親はそれをしつけと言っていた。でも私からすると、それは虐待だった」  両親の愛情は感じていたものの、暴力的なお仕置きが繰り返されたことで、次第に混乱するようになったと振り返っている。  学校を卒業後、モデルとして活動を始めたアナリンだったが、のちに役者を目指すようになり、ロサンゼルスに移住。そこで、性的暴行の被害にあった。アナリンが18歳だったとき、アパートに遊びに来た友人男性からレイプされたのだという。  この出来事をきっかけに自暴自棄になり、自殺も考えるようになったというアナリン。その後、専門的な治療を受けて問題に向き合ったことで、徐々に回復していったそうだ。  ただ、治療を受けているうちに、また別のつらい記憶もよみがえってきたという。アナリンは2018年、幼い頃に性的虐待を受けていたことをインスタグラムで告白している。
 それまで自分のなかで封印されてきた記憶が、治療をきっかけに、数十年後によみがえったと明かしたアナリン。加害者は明かしていないが、11歳の頃までその行為が続いたことを打ち明けている。  そうしたトラウマの影響か、最近のインタビューでは「幼い頃の記憶の一部が抜け落ちている」と語っている。 「5歳くらいになるまでの記憶がまったくない。5歳から11歳までに起きた出来事はよく覚えているけれど。13歳のときのことは、1つだけ覚えているけど、それ以外の記憶や感覚はまったくないの」。  つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる、一種の防衛反応と考えられている解離性同一性障害。アナリンの場合も、つらい体験から自分自身を守るために、記憶の一部を失くし、別人格が生まれたのではないだろうか。けれども2014年に『コスモポリタン』でこれらの出来事を告白した際、アナリンは「真実を話すときがきた」と語り、人々にこう呼びかけた。 「みなさんには意見を発信する手段がある。だからどうか、自分自身を箱に閉じ込めるようなことはしないで」 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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