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あなたの足の冷え、むくみは病気のサインかも。足の専門医がチェック

 自粛生活やリモートワークで、足のトラブルが増えています。コロナ禍の前に比べると、1日の平均歩数が1000歩近く減ったことが原因ともいわれています。足のむくみ、冷え、だるさはスタイルが悪く見えるだけではなく、健康にも影響があるそう。 むくみ 足の専門医で「名医の太鼓判!」(TBS)など多く出演する長﨑和仁 下北沢病院副院長の著書『足の先生! 足のむくみ、だるさ、冷え、下肢静脈瘤 どうすればラクになるか教えてください。』(アスコム刊)から、健康へのリスクや対処法をご紹介しましょう。
長﨑和仁「足の先生!足のむくみ だるさ 冷え 下肢静脈瘤 どうすればラクになるか教えてください。 」

長﨑和仁「足の先生!足のむくみ だるさ 冷え 下肢静脈瘤 どうすればラクになるか教えてください。 」

足がむくむのは、溜まってしまった血液の水分のせい

 足の冷え、むくみ、だるさの最大の原因は、足の血流の悪化です。足に送られてきた血液が心臓に戻っていく段階で問題が起きると、血液が足に溜まってしまい(これを鬱滞〔うったい〕といいます)、血液中の水分がむくみを発生させます。  むくみとは、皮膚の下にある組織に水分が溜まり、指先で押したりするとぶよぶよした感触がある状態のことを指します。指で押してへこませた跡がなかなか元にもどらないのが、むくみです。膨れた原因が溜まった水だからです。肥満の場合は、へこませてもすぐに戻ります。  足の血行が悪くなることのほかに、薬の副作用や病気が理由で起こることがあります。心臓や腎臓、肝臓など血流に関係する臓器や血管、リンパ管などの病気や、薬の副作用でも、むくみが出る可能性があります。思い当たる場合は医師に相談しましょう。

足の血行のカギは「第2の心臓」のふくらはぎ

 立っているとき、足があるのは心臓よりずっと下です。当然、心臓から送られた血液は重力に引かれて戻りにくくなります。それを戻すのが足の筋肉、特にふくらはぎの筋肉です。足の筋肉がポンプの働きをして、足の血液を心臓に押し上げているのです。  筋肉が収縮すると、筋肉の周辺や内部の静脈が圧迫されて、中の血液が押されます。静脈には弁がついているため、押された血液は心臓の方向にしか流れません。こうして、筋肉がポンプの役割をするわけです。  しかし、運動不足などでポンプの働きが鈍いと、血液が足に溜まります。溜まった血液の水分は、足の組織にしみ出してむくみとなり、冷えやだるさを招いてしまうのです。  特に、ふくらはぎの筋肉はポンプの役割が大きいため、「第2の心臓」と呼ばれます。ふくらはぎの筋肉をよく動かして血液を心臓に押し戻すことは、足の血流だけでなく、全身の血行をよくします。ふくらはぎの筋肉がよく発達し、毎日活発に動いている人は、足のトラブルが起きにくいといえます。

冷えやむくみをほおっておくと下肢静脈瘤という病気に……!

 あなたの「足の健康」度は大丈夫でしょうか? 簡単なセルフチェックをしてみましょう。  ・同じ姿勢で長時間、座りっぱなしでいることが多い  ・立ち仕事など、1日の中で立っている時間が長い  ・肥満である  ・運動をする習慣がない。日常的に歩いたりしない  ・お風呂は湯船につからず、シャワーで手早く済ませることが多い  ・補整下着など体を締めつける衣服をよく着用している  ・足がよくむくむ、ときどきかゆい、こむら返りがよくある  ・手足に冷えを感じる、冷え性である  ・ハイヒールなどかかとの高い靴をよく履く  ・妊娠・出産を経験している  これは、「足の健康」(むくみ、かゆみ、冷え)の危険度セルフチェックです。ひとつでもチェックがついた人は、今の生活スタイルをいちど見直してみてください。  むくみや冷えなどの自覚症状があっても、ガマンしたりして放置していると、下肢静脈瘤になるリスクがあります。下肢静脈瘤とは、血行の悪化が進んで、血管が壊れてしまう病気です。  足のむくみや冷え、だるさは、足の血行が悪化しているサインです。体が発する危険信号をやりすごさずに受け止めてあげましょう。
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足のむくみや冷えの一番の対策は「歩くこと」
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