
――ある年代のまま先に残るということに関しては、女優というお仕事も、ひとつひとつの作品が、ずっと先に残りますね。
寺島「そうですね。『このときは28歳だったな。おっぱいもぷりんぷりんしてるな』『このときは子どもが生まれたあとでおっぱいが爆乳だったな』とかね(笑)。
演じている側からすると、公共を使った思い出アルバムでもありますよね。不思議な職業だなと思います」
――(笑)。「このときを収めてもらってよかった」と特にしみじみ思う作品はありますか?

『Arc アーク』より
寺島「作品が残ることはどの作品についても嬉しいですが、やっぱり苦しい思いをしたときのほうが個人的に残りますね。『キャタピラー』とか。あれは本当にヘビーでした。1日中、ヘビーなシーンを暗幕の中で撮り続けてましたから。
孤独だったし、よく分からないじんましんや血尿が出たりして。この状態で出るパフォーマンスはどんなものがあるのだろうと、途中からは変なハイ状態になってきちゃったりして。あの作品の残り方は色々と考えます」
――そこまでの状況だったからこそ残せたものも。
寺島「ありますね。極限状態から出たものをすべてぶつけましたから。それだけ魂を込めた作品が、運よく海外の人の目に留まって、評価される(ベルリン国際映画祭最優秀女優賞受賞)ご褒美がついてきたから、それは報われましたね」