News

子ども虐待は行政だけでは防げない。孤立するママを助ける訪問サービスとは

虐待としつけの違いは、子どもの立場で心が傷つくかどうか

虐待としつけの違いは、子どもの立場で心が傷つくかどうか――根本的な質問になるのですが、虐待としつけの違いはどこにあるのでしょうか? 私は現在33歳ですが、私を含め同年代だとピアノの練習をサボったことで手足を縛られて押入れに閉じ込められたとか、嘘をついた罰で夕飯抜きとか、私自身も何かで怒られて外に放り出されたことがあります。今は法律もできたおかげか、そのような折檻は事件になったときしか聞かない気がします。 岡田「これは厳密には難しい線引きですね。でも、基本的には親の事情や都合ではなく、子どもの立場で心が傷つくことがあれば虐待と言えます。親は子どものためにと考えていても、実際は親と子の間に深いギャップがあるように思います。虐待には『身体的虐待』『ネグレクト』『性的虐待』『心理的虐待』の4つの種類があるのですが、教育過多と言われるところは心理的虐待と言われています。しつけと虐待の区別は難しいし、発見も難しいし、子どもはそれが当たり前だと思っていることもあります。  海外では児童虐待のことを『マルトリートメント』といって、『不適切な養育』という意味があります。また、『アビューズ』という『乱用、悪用』という言葉もあります。これは、親の事情や都合で子どもを取り扱うという意味合いがあります。だから、子どもにとってどうなのかという視点で本当は考えていかないといけないところです」

虐待問題はバッシングだけでは解決しない

虐待問題はバッシングだけでは解決しない――児童虐待の事件が報道されると、必ずといっていいほど親、特に母親へのバッシングが起こりますよね。それに対してはどうお考えでしょうか? 岡田「子どものことを考えると、虐待は本当にあってはいけないことです。どこかに責任を負わせてバッシングしたくなる気持ちは人としては普通の感情だと思います。ですが、二度と虐待を起こさない観点で考えていく中ではそのバッシングだけで終わってはいけません。虐待が起こった際に実際どんな背景があったのかを見ていったとき、親のこれまでの人生などに思いを馳せてほしいところはあります。バッシングだけでは解決しませんから
次のページ 
児童相談所だけでは無理な現実
1
2
3
4
5
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ