――最後に、虐待を未然に防ぐために私たちができることを知りたいです。実は友人がワンオペ育児・家事の状態で愚痴をSNSに投稿していることがあり、虐待はしていないと思うのですが、ちょっと心配だなと思っておりまして。彼女の場合はSNSからSOSが読み取れますが、他にどんなところにSOSが出てくるのでしょうか? また、SOSの声を挙げられない人やどこに相談すればいいのかわからない人もいますよね。

(左)姫野桂さん、(右)岡田妙子さん
岡田「今、私たちはSOSを見逃さない意識で取り組んでいるので、出産、産前の段階からお母さんの様子や言動に注目しています。『私は虐待してしまうかもしれない』と言ってくるお母さんも中にはいますし、あとは病院や保育園、保健師や予防接種の病院や歯医者さんなどで、なんとかSOSの声を拾おうとしています。
相談場所ですが、地域だったら子ども家庭支援センターというところが地域の子育て支援を調整する窓口になっています。そこがどこかに繋げてくれるので自分が住んでいる地域の子ども家庭支援センターに連絡を入れると親身に対応してくれるはずです。また、SOSを挙げられない人は、おっしゃったようにSNSでの発信を気にして「
これっておかしいよ」と周りが言ってあげるのはすごく大事で大きな力になります。
大変な状況の親御さんは精神的にいっぱいいっぱいで自分では虐待しそうな状況なことに気づかないこともあるので、例えば「
子ども家庭支援センターっていうところがあるんだって」などなど情報を伝えることも防止策の一つではないでしょうか」
<取材・文/姫野桂>