――デビュー作の『蜜蜂と遠雷』で鈴鹿さんにお話を伺ったことがありますが、そのときは、みんなでひとつの作品を作っていくお仕事の現場にとにかく感激されていました。メラメラというのは作品を重ねるに従って大きくなっていったのでしょうか?
鈴鹿「『MIU404』あたりからだと思います。最初は本当にただ楽しくて。それが観てくださった方の反応が返ってきたときに、自分は全然だめだと感じたときでも誉められたりして。『MIU404』のときもそうでしたが、
まだまだだという思いと、『良かったよ』と言っていただくことの差が激しくて。
どれだけやっても満足はしないと思いますが、その差を少しでも近づけたいですし、色んな作品を観て、自分はまだダメだな、もっとできるようになりたいなと感じるたびに、メラメラが強くなっています」
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――前にお話しを伺った際、「以前は本を読まなかったけれど、このお仕事をするようになって、読むようになってきた」ともお話していました。そして『ドグラ・マグラ』を読んでいると。

『星空のむこうの国』より
鈴鹿「あー、はい。そうですね。読みました。懐かしい」
――今まで本を読んでこなかった人が、いきなり『ドグラ・マグラ』を読むなんて面白いなと思ったのですが、今は?
鈴鹿「小説とかはほぼ読まなくなりました。
今は『愛とは』みたいな哲学書というか、思想についての本をよく読んでいます」
――それはまたスゴイ。
鈴鹿「日常で僕がこう考えるのは、こういう理由があったのかなとか、人間とは根本的にこういう部分があるから、こういう考えに至ったのかとか。テーマとしては僕が読んでいるのは『愛について』がほとんどです。そうだなと納得するものもあれば、頷けるだけじゃないものもあって、面白いです」