「テーブルの上に流しそうめん器っていうんですか?ウォータースライダーみたいに、上からぐるぐる回転しながそうめんが流れてくる立派なヤツがあって思わず『うわ~』と声を出してしまいました」
実は、今日初めてこの流しそうめん器を組み立てたYくん。
「なんかYくん、酔っている時に調子に乗ってポチッてしまったそうで(笑)さすがに一人でやるのはつまらないなと思っていたら、タイミングよく私が愚痴ったので誘ってくれたみたいです」
そうめんはもちろん、薬味にネギ、ミョウガ、生姜のすりおろしまで用意しておいてくれたYくん。
「けっこう流しそうめんって盛り上がるんですね。Yくんが私のために次々そうめんを流してくれるんですが、私、トロくてなかなか箸で捕まえられなくて。それを見てYくんめちゃくちゃ笑ってましたね」

その後、食べるラー油を麺つゆに入れて味変すると美味しいと教えてもらったり、デザートにスイカまで出してもらいご満悦のN子さん。
「Yくんのおかげで夏気分が味わえて本当に楽しかったんですよ。そして、暗くなってきたのでそろそろお暇しようかと思っていたら…」
引き出しから線香花火を出してきたYくんに「これで締めましょう」と近所の公園に誘われたそう。
「線香花火なんて、いつ以来か分からないぐらい久しぶりで…懐かしいねってYくんと子供の頃の思い出話で盛り上がっていたらラストのニ本になって」
最後に一本ずつ花火を持ち、火をつけた2人。
「そしたらYくんがソワソワしだして『僕の花火の方が長くもったら、お付き合いしてくれませんか?』なんて言うからビックリしちゃってアワアワしていたら…」

「いいんですか?それともダメですか?」と身を乗り出したら花火の火の玉がポタッと落ちてしまったYくん。
「しまった~!と頭を抱えるYくんが可愛くて笑ってしまいましたね。この日がきっかけで距離が近づいたんです」
それから3回目のデートで、お付き合いをする事になった2人。
「今も仲良くやってますよ。今年の夏も一緒に流しそうめんをするのが楽しみなんです」
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<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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