39歳で精神科に入院、「独身で収入も低い私」にカウンセラーがくれた一言とは
悩んでいる時に、誰にも話せないまま一人で思い詰めてしまうことってありますよね。
厚生労働省による調査(※)によれば、新型コロナウイルスの感染拡大にともない「そわそわ落ち着かなく感じた」と答えたのは、女性の30代が42.9%、40代41.0%と、すべての世代の男女の中で最も高い数字を示しています。(※2020年9月「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」)
いろいろな理由からメンタルが不調になった時には、どうすればよいのでしょうか?
うつ状態により入院も経験したフリーランスライター、カンザキルリ子さんに、その経緯や思いをつづってもらいました。
前回で入院生活1ヶ月経った時のルリ子さん、腰を据えてのんびりしようと思いつつ、いつまでここにいたらいいんだろうという焦りもありましたが、さて変化はあったのでしょうか。(以下、カンザキルリ子さんの寄稿です。)
【前回記事を読む】⇒精神科に入院する私に、母は「近所の人に…ねぇ」。うつ病への偏見は自分の中にも
病院での生活が居心地良すぎることに不安を感じたものの、私はもうしばらく入院を満喫することにしました。担当医さんが言うように、このまま焦って退院しても元の不安定な状態にすぐに戻ってしまうだろうと思ったからです。
こうして改めて腰を据えて送ることになった入院生活。先述の通り、そのスケジュールにはさまざまな治療が用意されています。作業療法や認知行動療法といったものですが、私の場合は臨床心理士さんによるカウンセリングが最も効果的だったように思います。

話は遡(さかのぼ)りまして、心理士さんが私の病室を訪ねてきたのは、入院してから一週間ほど経った頃でした。
その物腰(ものごし)柔らかな女性の心理士さんは「話を聞きます」「聞いてあげます」という態度ではなく、「話を聞かせて欲しい」と言います。「こんな話をしても迷惑だろう」と考えてしまいがちな私にはとてもありがたいことでした。
1時間ほど時間をとってあることも嬉しく思いました。お医者さんによる診察は時間が短く限られていて、そんなに口が達者ではない私はうまく整理して話すことができず。話したいことを話しきれないまま、心にもやもやが残って消化不良であることも少なくありません。
カウンセリングを強制はしないということでしたが、もちろん断る理由もなく、後日約束の時間に面談室へ。
心理士さんは心地よいタイミングで相槌を打ちながら私の話を聞いてくれます。会社を辞めてから約6年間、一人でずっとライターの仕事をしてきたこと。40歳を目の前にして、この年齢における一般的な収入を得られないでいること。かと言って、同年代の女性のように結婚して子育てをすることもできないでいること。
つまり、私は社会的に生産性がなく、世の中に認められない存在ではないかと感じていることです。
カウンセリングの効果

私は社会に認められない?

1
2