とはいえ、体の内側から対策をするってどうしたらいいの?
「免疫系と体内時計には深い関係があり、正常な体内時計で生活リズムを維持することは感染症対策には重要」だと言うのは、体内時計研究の第一人者、早稲田大学先進理工学部の柴田重信教授です。
えっと、「体内時計」って、時間帯ごとにホルモンの分泌や自律神経の働きがコントロールされていて、それによって朝になると目が覚め、決まった時間にお腹がすいて、夜に眠くなる、という仕組みのことですよね? それが、免疫系にも関わっているとは!
「いくつかの実験結果から、早朝は人の免疫系の働きが弱まり、ウイルスに感染しやすいと推測されています。そして、体内時計が狂っていると、さらにウイルスに感染しやすく、重篤化しやすいということもわかっています」(柴田教授、以下同)
その実験の一つ(※1)が、マウスを2グループ分け、それぞれ早朝と深夜に鼻からインフルエンザウイルスを入れて、15日目の死亡率を調べるというもの。結果は、夜遅くにウイルスを入れたマウスの死亡率は21%。一方、朝に入れたマウスの死亡率は71%!
「そして、時計遺伝子が働かなくなったマウスで同様の実験を行ったところ、夜にウイルスを入れたマウスの死亡率が84%と、格段に上がりました。体内時計が異常なマウスは、自然免疫の最前線で働く『NK細胞』の働きが低下していると考えられます」
マウスでの実験とはいえ……体内時計がズレると、めっちゃ危険じゃないですか!
※1 Sengupta, S, SY Tang, JC Devine, ST Anderson, S Nayak, SL Zhang, A Valenzuela, DG Fisher, GR Grant, CB López, GA FitzGerald. Circadian control of lung inflammation in influenza infection. Nat Commun . 10(1):4107. 2019.