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子宮頸がんが激増中。20-50代に多い女性特有のがんとどう向き合うか

毎年、約1万人が子宮頸がんに

前出の中川氏は、こう話します。 「現在、日本では小学6年生から高校1年生までの女子は、無料でHPVワクチンが接種できます。ワクチンの効果は100%ではありませんが、接種する人が多くなれば、ウイルスに感染する可能性はぐっと低くなります。またワクチン接種と合わせて検診をすれば、少なくとも命を失う可能性は極めて低くなります。 毎年、約1万人が子宮頸がんと診断され、約3000人が亡くなり、約1200人が子宮を失っています。こうした悲劇を、ワクチンで防げるのです」

HPVワクチンが45歳まで効果あり、という研究も

「HPVワクチンは、性体験前に打つのが最も効果が高いとされています。1回接種するのに15000円ほどかかりますが、3回接種する必要があり、合計で5万円ほどかかります。もっとも効果の高い9価(9種類のHPVに効くワクチン。無料で接種できるのは2価と4価)は、3回打つと約10万円かかり、高額です」 前述のように、海外の報告では、接種年齢が45歳まではHPVワクチンの効果が認められているそうです(※)。 現状では、ワクチンを打てる人は打ち、毎年きちんと検診を受けることが、子宮頸がんを予防する最善策と言えそうです。 ※ HPVワクチンの26歳以上の女性における効果・安全性を検証した研究(英文)Wheeler CM, et al. Efficacy, safety, and immunogenicity of the human papillomavirus 16/18 AS04-adjuvanted vaccine in women older than 25 years: 7-year follow-up of the phase 3, double-blind, randomised controlled VIVIANE study 【中川恵一 氏】 東京大学大学院医学系研究科・特任教授。 東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部放射線医学教室専任講師などを経て現職。緩和ケア診療部長、放射線治療部門長などを歴任。『コロナとがん』などがんに関する著書多数。 <取材・文/和久井香菜子>
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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