一方で、「毎年、検診を受ければワクチンは必要ない」と主張する人もいます。
「検診は『異常があったらわかる』というもので、『がんにならないように』予防をすることはできません。
軽度異形成といって、がんに発展する可能性のある異常は発見できますが、軽度異形成のうち、高度異形成(がん)に発展する人はそのうちの5%です。治療を始めるのは高度異形成になってからで、その間ずっと不安な気持ちになりながら通院して検査を受けなければいけません。
そして高度異形成になれば、治療によって将来流産の可能性が上がります。命に別状はなくても、子宮の入り口を削ったり、失ったりすることで、出産を諦めることになるかもしれないのです」
「しかも日本はがん検診の受診率自体が42.4%(2016年)で、アメリカの83.3%(2015年)、ドイツの80.4%(2014年)と比べてそもそも大変低いのです。
その上、このコロナ禍はいつ終わるともわかりません。外出がはばかれる中、日本のがん検診の受診者数はそれまでの30%以上も落ちています。2019年国民生活基礎調査によると、20~25歳の女性の子宮頸がん受診率は、たったの15.1%です」(中川氏)