ハラミちゃん紅白内定に賛否が噴出。うまいかヘタか、が話題になる不幸
紅白歌合戦にYouTuberピアニストのハラミちゃんの出場が内定した、と10月22日のスポニチが報じました。プロのピアニストを目指し、音大に進んだものの挫折。いったんは一般企業に就職した異色の経歴も話題です。
会社員時代に過労がたたり体調を崩してしまったハラミちゃん。そこで彼女を救ったのが、ピアノでした。「前前前世」(RADWIMPS)などのヒット曲をカバーしたところ、超絶技巧が話題を呼び、いまでは総再生回数4億回を超えるまでに人気に。めでたく、ピアニストとして国民的音楽番組に出演する運びとなったのです。
ところが、この一報にネット上では賛否両論。ツイッターなどのSNSでは若い世代から応援やお祝いのコメントが寄せられた一方、ニュースサイトなどのコメント欄は否定的な意見が大半を占めていました。“ハラミちゃん本人に罪はないけど、この人選はちょっと違うんじゃないか?”と番組の見識を疑う声の他に、ハラミちゃんの演奏自体が苦手という声も散見されました。
いつもニコニコと楽しそうに演奏し、ピアノの魅力を伝えようと一生懸命なハラミちゃんの態度には見習うべき点はあります。ただ、申し訳ないのですが、筆者も彼女の演奏や音には心動かされません。それは、下手だからではなく、むしろ上手でスムーズな風に聞こえてしまうからこそ感じる違和感なのですね。
彼女の演奏からは、音楽のささくれだとか、豊かなムダが、きれいに削り取られてしまっている。音楽全体を味わうことよりも、無難に弾ききったことの努力を称える風潮が生んだ、不幸な曲解。
そんな彼女がストリートピアノブームの頂点にいることを考えると、この味気ない演奏は、はからずも日本の街角ピアノのつまらなさを象徴してしまっているのかもしれません。