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トラウトサーモンはサケじゃない!魚屋で見る名前のナゾを、角上魚類に聞いた

イクラ、スジコ、タラコの違い

――なんだか頭が混乱してきました。さらにイクラ、スジコ、タラコも何が違うのかが実はよくわかりません。 中村:はい。こちらも違いを羅列しますね。 ★イクラ……サケの卵をバラバラにしたもの。大別して秋サケの卵と、マスの卵の2種に分かれます。秋サケの卵はコクがあり大粒で、マスの卵は粒は小さいものの、甘味があり、美味しいです。
イクラはサケかマスの卵に分かれます

イクラはサケかマスの卵に分かれます

★スジコ……サケから卵を取り出した状態のもの。塩漬け、醤油漬けなどに加工して食べることが多いです。 ★タラコ……タラの卵。大別してマダラの卵と、スケソウダラの卵の2種に分かれます。マダラの卵は、煮つけたり、切り昆布と一緒に炊くなどして食べることが多いです。対して、明太子などの生食用に使われるのはスケソウダラの卵です。
明太子などに使われるタラコはスケソウダラの子どもです

明太子などに使われるタラコはスケソウダラの子どもです

中村:同じ魚卵でも、このように出自や食べ方に違いがあります。

マグロの種類と味の違いとは?

同じように見えるマグロも、その種類はさまざまです

同じように見えるマグロも、その種類はさまざまです

――マグロもいろいろな種類がありますね。「クロマグロ」「ミナミマグロ」「メバチマグロ」「キハダマグロ」「ビンチョウマグロ」など。この違いを教えてください。 中村:はい。大まかに以下のような違いがあります。 ★クロマグロ……別名:本マグロ。現状、産卵場所としてわかっているのは地中海、台湾沖、メキシコ湾など。これらを基準に回遊する魚で、上質な脂乗りが魅力です。ちなみに角上魚類の刺身盛り合わせや寿司ではこのマグロを主力に使っています。 ★ミナミマグロ……別名:インドマグロ。クロマグロに匹敵する味を楽しめる魚種ですが、「本マグロより好き」といった声もあるほどです。一時、絶滅に近い状態となり、漁獲規制がかかって希少性が高くなりましたが、2年ほど前より資源回復がみられ規制が緩和されました。 ★メバチマグロ……クロマグロやミナミマグロに比べ、脂が控えめでさっぱりした味が特徴。手に取りやすい価格も魅力で、よく売れる魚種でもあります。 ★キハダマグロ……メバチマグロに比べてさらにさっぱりとした優しい味のマグロ。お刺身でもいただけますが、漬けたり調理すると良いかもしれません。 ★ビンチョウマグロ……キハダマグロ同様、さっぱりした味ですが、寿司ネタとしても人気のある魚種です。 ――中村さんはどのマグロがオススメですか? 中村:個人的にはやっぱりクロマグロが好きですけど、例えばメバチマグロなどは、調理すると美味しいですよ。お子さんで「魚が苦手だ」というご家庭では、甘辛い味付けのそぼろなんかにすると食べやすくなって良いと思います。

店員さんも楽しんでいる角上魚類の豊富な魚種

――サーモン、サケ、マグロといった定番魚種でもこれだけ複雑な出自や味の違いがあるわけですが、さらに角上魚類では、関東圏ではなかなか見かけない新潟由来の魚も多く扱っています。目が回りませんか? 中村:確かに魚の世界は奥が深いですが、例えば今の時期に特に人気の新潟の地魚などは、働いていても「こんなお魚があったんだ」と毎日発見の連続です。お客さんでも、こういった「珍しいお魚」を目当てに来られる方は多いですが、魚種や調理法などはその都度ご説明しています。  その日に入っているお魚を見るだけでも本当に楽しいと思いますし、今回ご紹介したさまざまな魚種も豊富に取り揃えています。是非一度足を運んでいただければと思います。
「日々色んな魚を見るのが本当に楽しい!」と中村さん

「日々色んな魚を見るのが本当に楽しい!」と中村さん

=====  改めて魚の世界は奥が深いと実感しましたが、このやや高いハードルをわかりやすくしてくれる点も角上魚類の人気の理由のように思いました。  魚食にまつわる疑問・難問はお店のスタッフに尋ねれば意外と簡単に解決するかもしれませんよ! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文・写真/デコ女子部>
デコ女子部
編集プロダクション・decoの女子部門。30~40代の男女の編集・ライターにより執筆
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