「妊娠しても安定期まで公表しない」暗黙のルール、謎だと思いませんか?|吉川トリコさんインタビュー
もし身近な人が流産を経験したら
「安定期に入るまで妊娠を公言しない」という暗黙のルール
――妊娠初期につわりで苦しむ人も少なくないですし、そうなると周囲の助けが必要ですよね。例えば、妊娠初期でもどんなふうに周囲へ妊娠を告げて、周囲がどんな風に受け止められたら、よりハッピーになると思いますか?
吉川「人にもよるのかもしれないけど、もうちょっと流産の話が一般的になれば、というか、ほんとうはもう既に一般的なことというか、数だけ見れば普通にあることだから、変に隠したりせずに普通のこととして話せるようになったらいいなと思いますね。話題になる機会が増えれば周囲の理解も得られやすくなると思うし、本人も話しやすくなるんじゃないかな、と思います。でもこれは、『もっと声に出して伝えていこう!』ということではなくて、言いたくない人は無理に言わなくていいと思っています」
――本書でも、流産の確率が妊娠全体の15%、40代では50%にものぼることについて触れていました。こうした知識が広まれば、本人だけでなく周囲も含めて、受け止め方がまた変わってくるかもしれませんね。
インタビュー第2弾では、不妊治療について、子を持つということについて、さらに詳しく聞いていきます!
【吉川トリコ】
1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞受賞。2021年「流産あるあるすごく言いたい」(『おんなのじかん』収録)で第1回PEPジャーナリズム大賞オピニオン部門受賞。著書に『しゃぼん』(集英社刊)『グッモーエビアン!』『マリー・アントワネットの日記』(Rose/Bleu)『おんなのじかん』(ともに新潮社刊)などがある。
<取材・文/日向琴子>日向琴子
漫画家 / コラムニスト / ラブホテル評論家 / 僧侶 / 様々な職業を転々としたのち、2020年末に高野山別格本山「清浄心院」にて得度・出家。運送屋、便利屋のパートで学費を稼ぎながら、高野山大学大学院にて密教学勉強中
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