水を入れてレンチンするカップ麻婆豆腐に感動。 おいしさの秘密を開発者に聞いた
水とレンジで作って、こんなにウマい。
料理をしなくても、おいしいものが食べられる時代になっています。その代表例がインスタント食品。なかでも、食器や調理器具を使わないカップタイプのアイテムは気軽で便利ですが、必ずしも本格的な味がついてくるわけではありません。
もしそこに感動級のおいしさがついてきたら……そんなことを考えていたときに、私が一口で心をつかまれた商品がありました。それは、ポッカサッポロフード&ビバレッジの「カップ de クッキング」シリーズ(希望小売価格:それぞれ税別180円)。水を注いで混ぜて、3分レンチンするだけで本格的な麻婆豆腐が作れてしまうのですが、想像以上に完成度が高く、大きな声で「これはウマい!」と叫びたくなるほどでした。
そこで今回は、カップタイプの豆腐料理シリーズについて開発担当者・ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の藤田良美さんに取材してきました。
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スギアカツキ:はじめて食べたとき、豆腐のつるんとふんわり感、タレのとろみ、食べた満足度……、あまりのおいしさに驚いてしまいました。久しぶりに感動するインスタント食品に出逢った感じです。
藤田さん:ありがとうございます。実は私、いつも「スープ商品」を開発しているのですが、今回は“スープからの領域拡大”を目指し、中華料理の人気メニューである「麻婆豆腐」にチャレンジしました。
スギアカツキ:えっ!? そうか、これってスープじゃなかったんですね! ポッカサッポロさんの「じっくりコトコト こんがりパン」シリーズは、カップ入りインスタントスープ市場で高いシェア(※)を持っていますよね。しかもカップ入りインスタントスープの市場は年々成長していると思うのですが、あえてスープ以外のメニューにチャレンジし始めた理由は何でしょうか?
藤田さん:コロナ禍で在宅ランチの頻度も増え、スープ以上に“おかず”を求めるニーズが高まっていることが最大の理由です。スープを超える“カップ型おかずフード”を作ることを目指し、試行錯誤の結果、「豆腐料理」にたどり着きました。
※15%(2020年実績)出典:富士経済 2022年食品マーケティング便覧 No.1
スギアカツキ:でも、豆腐をレンチンするって、スカスカパサパサになりそうでおいしいイメージがつかなかったですし、そもそもカップごとレンチンできる商品って、多くはありませんでした。かなりの大挑戦だったのではないですか?
藤田さん:そうですね。カップもレンジ対応カップ容器を新たに開発したため、完成までに約2年かかりました(通常の商品は約半年程度)。今回の「水を入れてレンジ加熱で最適なトロミになる配合」は特許出願するほど本腰を入れています。おいしさの実現で言えば、弊社のスープ作りのノウハウもしっかり生きています。
スギアカツキ:その本気感が、おいしさにつながっているのですね。しかしなぜ麻婆豆腐や肉豆腐をねらったのですか?
藤田さん:とろみがある豆腐料理と言えば、この2つが人気メニューですが、いずれも、家族用(複数人数分)を鍋やフライパンで調理するタイプばかり。お一人様専用の手軽な商品がありませんでした。そこで料理をしない単身者の方々がお湯も沸かさずに作れるもので、妥協することなく最高においしいと思っていただけるものをゴールに定めました。
目指したのは“スープからの領域拡大”
レンチンでおいしい麻婆豆腐が作れてしまうのはなぜ?
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