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『M-1』王者・錦鯉。週5バイトの苦労人が、愛されおじさんになるまで

 19日放送の漫才頂上決戦『M-1グランプリ2021』(ABC・テレビ朝日系)で、王者に輝いたお笑いコンビ「錦鯉(にしきごい)」。キャラも顔も濃い坊主頭・長谷川雅紀(まさのり)が放つ50歳という年齢を感じさせないおバカなボケに、見た目普通のおじさん・渡辺隆(43歳)が鋭く冷静にツッコむ、正統派ながらもクセになる爆笑必至の漫才が特徴の二人。  結成9年で悲願の優勝を果たした彼ら。昨年の大会では決勝初出場で4位という好成績をおさめ、キャラの濃さで強烈な印象を残しました。その健闘ぶりには、審査員の松本人志も1年前の時点で「来年から引っ張りだこになるんじゃないですかね」とコメントしていたほど。 ※本記事は2020年12月掲載の過去記事を再構成したものです。

2020年から人気急上昇していた“おじさんコンビ”

「キャラメルは銀歯泥棒」などのギャグや、つかみで披露する年齢自虐からわかる通り、錦鯉のボケの長谷川さんは50歳、ツッコミの渡辺さんは43歳という“高齢”コンビです。  彼らは過去に組んでいたコンビをそれぞれ解散後、互いにピン芸人での活動を経て2012年に錦鯉を結成しました。一昨年のM-1で、テレビで活躍する人気芸人が多数出場する敗者復活戦で順位は16組中9位ながらも大ウケしたことで注目を集め、それをきっかけに、2020年は前年に比べて「6倍ハネている」と本人たちが豪語する忙しさに。  昨年から、『ゴッドタン』『そろそろ にちようチャップリン』『有吉ぃぃeeeee!』(いずれもテレビ東京系)などでその顔をよく見るようになりました。露出や収入が増えた結果、ボケの長谷川さんがコロナウイルスの持続化給付金の対象外になってしまったほどだといいます。

爆笑問題や有吉弘行、お笑い界の大御所も絶賛

 彼らの面白さは、実はかねてから同世代の多くのベテラン芸人さえも唸るほどでした。博多華丸・大吉は5年以上前から自身のライブに呼ぶほど彼らを評価し、爆笑問題や有吉弘行などのお笑い界の大御所からもたびたび番組に呼ばれたり名前を挙げられるほど気に入られています。  後輩である千鳥もAbemaTV『チャンスの時間』で、奥歯がない長谷川さんがグルメレポートをするという企画で彼を呼び、その内容をイジりつつ絶賛していました。そして、忘れてはいけないのがタカアンドトシ。彼らは長谷川さんの札幌吉本時代の同期で、苦楽を共にした仲だといいます。今でも番組に呼んだり食事をおごってもらうほどだとか。  M-1での優勝は、錦鯉本人たちだけでなく、苦労の過程を知り、そして評価する多くの芸人たちも喜んでいることでしょう。優勝が決まった瞬間、長谷川さんが感極まって号泣、渡辺さんと抱き合っていた姿はもちろんのこと、周りの芸人たちが心から祝福している様子も印象的でした。
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「あの人まだ芽が出ないのかよ」と泣いていた若手芸人も
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