「電話の相手は彼ではなかったんです……」 　なんと電話の相手は彼の奥さん。「あなたと夫が会っていることは薄々気づいていました。でも、クリスマスにまで会われるのはさすがにもう我慢できません」と開口一番言われました。 「ああ……バレたな……とすぐに察知しました。その後、彼に電話を代わってもらったのですが、彼は口ごもるばかりで何も言ってくれないんです。あれだけ、奥さんと上手くいってないと言っていたのに、あれはなんだったんだろうって情けなくて、奥さんにまた代わってもらって『もう2度と会いません』とだけ言って電話を切って、着信拒否にしました」 　浮かれ気分から一気に地獄に突き落とされた優香さん。しかも、さらなる災難が待っていました。 「名古屋に帰る最終新幹線がなくなってしまったんです。ホテルに泊まろうと思ったのですが、クリスマスなのでどこも予約でいっぱいで。そうなると、最終手段はもう実家しかありませんよね。母親に電話して『日帰り出張の予定だったんだけれど、帰れなくなった』と言って実家に泊まることにしたんです。 　母親からすれば、クリスマスに娘が急に泊まりに来てビックリですよね。実家に帰るいなや『アンタ、クリスマスなのに彼氏もいないん？』と突っ込まれました。さらに、ホテルに泊まるつもりだったのでパジャマも持ってきていなかったんです。気合いを入れてワンピースを着てきたのに『アンタ、そんな寒そうな格好して!　オカンの服貸したるわ』と言われて真っ赤な半纏を着せられましたね……（泣）」 　彼と過ごすはずのクリスマスが、オカンと過ごすことになってしまった優香さん。ちなみに優香さんは正月も実家に帰って彼に会う予定だったのですが、それもなくなってしまったため翌日には名古屋に戻り、お正月はどこにも出かけなかったそうです。 　もとはといえば既婚者の男性に手を出してしまった優香さんが悪いのは明らか。それに、クリスマスイブに夫の不倫を知ってしまった相手の奥さんの心情を考えれるといたたまれません……。これに懲りて、もう既婚者の男性には手を出さないと誓った優香さんなのでした。 【他の回を読む】⇒シリーズ「冬のトホホエピソード」の一覧はこちらへ 【他のエピソードを読む】⇒「実録！私の人生、泣き笑い」の一覧へ ＜取材・文／結城　イラスト／朝倉千夏＞