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伊藤沙莉が芸人兄との対談で見せた、人気と共感が集まる理由とは

的確に演じることができ、その場に馴染むよう自分を調整

明るすぎず暗すぎ、脇役過ぎず主役過ぎず、特徴的なハスキーボイスのようにニュアンスのある伊藤沙莉のようなキャラクターがいまは共感を呼ぶのだと思う。彼女が出ているとなんとなくホッとする。 ただそれは前述したように彼女が子役のときから培(つちか)った求められるものを的確に演じることができる能力であって、カメレオンを代表に環境で色を替えその場に馴染(なじ)む生物のような能力によるものだろう。 俗に言う「カメレオン俳優」とはいろんな役を演じ分けることに用いられる言葉だが、伊藤沙莉の場合は、その場に馴染む色素変化を行う、冬毛と夏毛の色が違ううさぎのようだ。どんな作品でもすっとハマる。メインなら目立た過ぎず脇なら地味すぎない。そこにいていいように自分をうまく調整しているのだ。

最も魅力的に見える、映画「ちょっと思い出しただけ」

映画『ちょっと思い出しただけ』伊藤沙莉のその場にうまく収まる能力が存分に発揮されて最も魅力的に見える作品が「ちょっと思い出しただけ」だ。 ダンサーの夢破れ照明スタッフをやっている照生(池松)とタクシードライバーの葉(伊藤)が出会って別れるまでの6年間の物語「ちょい思」は前述の「ボクたちはみんな~」や大ヒットした「花束みたいな恋をした」に続く、過ぎ去った想い出を愛おしむ系の作品だ。 伊藤演じる葉は運転が得意でタクシードライバーをやっている。彼女の面白いところは運転に関しては任せろという自信をもちながら行く先は誰かに考えてほしいという意外と依存型な面があるため、次々と客を乗せて目的地に運ぶタクシードライバーが性に合っている。ベタな言い方だがあなた色に染まります的なタイプで、それが照生との恋とその顛末に大きな影響を及ぼしていく。
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