
左から、ネココ、ネチコ
――保護猫活動には以前から興味があったのですか?
もちぎ:周りに保護猫活動をやっている子がいたんですが、自分には遠い世界のことだと思ってました。それに、今まで実家を家出してゲイ風俗で働いて1人で生きてきた経験があるので「身軽でいたい」という気持ちが強かったんです。「自分が食うために働いていればいい」と思ってました。
でも執筆業をやらせてもらうようになって、年齢的にも生活が安定してきました。それで「猫と一緒に定住しようかな」という気持ちが出てきて保護猫を飼うようになったんだと思います。
――漫画の中で「猫との関係性」について考察されていましたが、もちぎさんとネチコヤン達はどんな関係だと思いますか?
もちぎ:同じ家に「共生している存在」という感じです。家族や子ども代わりという感覚は持ってないですけど、この3匹がいることを前提に人生を計画したり生活が回っていると思います。

ネチコ
――猫との暮らしは自分に合っていると感じますか?
もちぎ:このエッセイでもそれがテーマの1つになっています。他の作品で自分のことを「人と一緒に暮らせない人間」と言ったりしているんですけど、実は割と適応するし「もし人と暮らし始めたらそれに合わせるんだろうな」と思います。
だから例えば犬を飼っていたら犬に合わせた生活ができていたと思います。猫を飼い始めたのも「どうしても猫を飼いたい」と思っていた訳ではなく、たまたま人間の生活圏内で出会う野生生物が猫かカラスくらいだったから「猫と暮らすこともあるかもしれないな」と思っていて、たまたま一緒に暮らし始めただけなんです。
――もちぎさんは猫を飼うのに向いているのはどんな人だと思いますか?
もちぎ:何でもそうですけど、自分でちゃんと調べたり他人に相談できる人だと思います。「猫だから猫まんま食べさせたらいいだろ」と思わずに「猫って何食べさせたらいいんだろう」と調べられる人。ちゃんと疑問を持って解決できる人なら大丈夫かなと思います。
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。