どうする?どうなる?電気代のこれから!節約のプロに聞いた“本気の対策”
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食料品や生活用品などの値上げが次々発表される昨今。暮らしに不可欠な電気の料金もどんどん高くなり、不安を感じている人も多いのでは?
いよいよ本格的な夏が始まりますが、電気代は今後どうなっていくのでしょうか。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんに、電気代の高騰について詳しく聞いてみました。
――さっそくですが、電気料金が高くなっているのはなぜなのでしょうか?
丸山晴美さん(以下、丸山)「一般的なご家庭の電気代は2021年の1月ごろから見ると、1.4倍以上となるケースもあります。値上がりの理由は1つではなく、複数の要因が絡みあっているのですが、まずはエネルギーの元となる原油や天然ガス、石炭の価格上昇が挙げられます。その理由は、円安を含め先物の市場が上がっていることと、ウクライナ情勢の緊迫化。
そもそも、日本はエネルギー資源をほとんど持っていないので、自前での調達ができていないのが現状です。これからも他国に原油や天然ガス、石炭を頼っている限りは、資源調達コストは今後もかさむでしょう」
――なるほど、自分でエネルギー調達できないのが根本的な原因なのですね。
丸山「そうですね。太陽光や風力もありますが自然頼りで安定した電源供給には至らず、現在日本は火力への依存度が高い状況です。今、仮にどこかで資源が見つかったとしても、商業ベースにのせるまでには何年もかかるので、やはりすぐに自前で安定的なエネルギー調達をするというのは難しいでしょう。この料金上昇は序章にすぎません。今後も高騰していく可能性は十分にあると言えます」
なんと…! 今の料金上昇の波はまだまだ続くかもしれないのですね!
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電気といえば、今年の3月に「電力需給ひっ迫警報」が、そして6月にも需給ひっ迫注意報が度々出されました。事前に節電への協力を呼びかけて広範囲におよぶ停電を防ぐのが目的ですが、大規模な節電要請には驚きました。電気って、今そんなに足りないのでしょうか。
――3月の需給ひっ迫警報は何が要因だったのですか?
丸山「3月16日に起こった東北地方での地震によって、14基の火力発電所が相次いでダメージを受け発電が停止しました。それによって電気の供給力が欠けてしまったんです。しかもその数日後に急に天候が変わって寒くなり、電気の使用が増えたため、3月22日に節電要請が出ました」
――停電は免れましたが、あれから電力の供給力はどうなっているのでしょうか?
丸山「このときは悪い状況が重なってしまって、ついに限界になりそうという状態でした。2011年3月の東日本大震災以降、安全対策のため未だ多くの原子力発電所が止まっていることも、電力不足の要因の一つです。
これから本格的な夏や冬がくると、電気の使用量が増えるので、また厳しい電力需給状況となるかもしれません。実際に政府からこの夏の節電要請が出ており、電力会社ではポイント制などで利用者の節電意識を高める取り組みも進められています」
――引き続き電気の供給量は厳しいのですね!
丸山「そうですね、少なくともこの夏・冬はかなり節電を意識しなくてはいけないです。電気が使えない人が誰一人として出ないようにするために、家族で一つの部屋に集まって過ごす“クールシェア”や“ウォームシェア”をしていくことが大切です」
電気代が上がるのも困るけれど、電気が足りなくなって停電するのも困ります。涼しい場所をみんなでシェアするなど、この夏は本格的な「節電」を心掛ける必要があるのですね。
節電と言っても、思いつくのはこまめな電気のオンオフくらいな気も……。具体的にどんなことをしたらよいのでしょうか。
――すぐに取り組める節電方法を教えてください。
丸山「真夏は14時頃が電力使用のピークなのですが、在宅で一番使われているのがエアコン、冷蔵庫、照明なんです。
まず、エアコンは28度を目安に設定して、扇風機を併用し部屋の冷気を回してあげるといいです。また、窓から伝わる熱で室温が上がってしまうので、遮光カーテンやすだれなどで日陰を作りましょう。室外機も日陰を作ると効率がアップします。
冷蔵庫は何度も開けないで済むように、家の中でも1人1本ずつ水筒を持って過ごすのがおすすめです。テレビも長時間つけっぱなしにせず、観ない時は切りましょう。
照明はできればLEDに変えるといいですね。シーリングライトは、蛍光灯のものに比べて約半分くらいの電気で済みますよ。
その他には、炊飯器や便座の保温は切りましょう。保温は意外と電気を使います。また、麻の服を着るなど、クールビズを意識して過ごすのもいいですね」
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――なるほど、今すぐできる節電ポイントはたくさんありますね! みんなで意識すれば、節電にも電気代の節約にもなりますよね。
丸山「そうですね。今、電気代だけでなく原材料価格の高騰などにより、小麦や穀物、油の価格が上がってきていて、お菓子やカップラーメン、冷凍食品などの加工品も次々に値上がりしています。エネルギーの価格はもちろん肥料価格も上がってきているので、冬には野菜も価格が上がってくるでしょう。
でも生活費として自由に使えるお金の可処分所得は減っていて、どんどんつらい状況になっていくことが予想されます。つまり、エネルギー不足は国力の低下を招くと言っても過言ではないんです。
まさに今、エネルギーにしても食料にしても、大きな分岐点にきていると感じます。このタイミングに一度立ち止まって、しっかり自分の行動や家計を見直すことが、これからの暮らしをより良くしていくきっかけになるでしょう」
たしかに、この先言われるがまま、爪に火を灯すような暮らしをするのは避けたいもの。今ある電気を大切に使うために自分の暮らしも見直して、少しでも前向きに生活したいです!
まだまだ世界の情勢が見えない今、楽観視はできないけれど、一人ひとりの行動で変えられることもあるはず。今ある電気を「当たり前」と思わずに、みんなでエネルギーをシェアして、エネルギー的にも経済的にも無駄なく過ごせると良いですよね。
そして、より電気を身近に感じると、当たり前に見ていた配電線や送電線にも目が留まります。9月19日まで、「日常の風景にある電力」として“電柱・電線・鉄塔”をモチーフにしたInstagramフォトコンテストを実施中。この機会に、日常にあふれている“電力のある風景”を撮影して、より電気を身近に感じてみませんか?
ふと目にする日常の風景に溶け込む“電柱・電線・鉄塔”を撮影した写真を大募集。応募方法は、規定のハッシュタグ2つをつけて、写真をインスタグラムへ投稿するだけ! 応募者本人が1年以内に国内で撮影した写真をご応募ください。
■ハッシュタグ
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■表彰
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【丸山晴美】
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。FP技能士2級、宅地建物取引士(登録)、調理師、消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行う。著書は『簡単! しっかり貯まるお金の基本』(宝島社刊)、『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します(共著)』(幻冬舎刊)など多数。
<取材・文/関由佳 写真/我妻慶一 提供/電気事業連合会>

電気代はなぜ上がっているの?

主要先進国におけるエネルギーの海外依存度をみると、日本をはじめ自国にほとんど資源を持たない韓国、イタリア、フランスなどがいずれも高い数値を示している(出典:IEA「Data and statistics」より作成)
今、電力って足りないの?

この夏・冬は、節電をかなり意識しないと厳しい
「節電」ってまず何をしたらいい?

今が大きな分岐点! 自分の行動を本気で見直そう
