楽しい夏になると思いきや、初めての日本で言葉が全く分からないAさんは、3日もしないうちにホームシックに。英語が通じない場所に来て不安があったのか、赤ちゃんのようになってしまいます。
「私も久しぶりに家族に会ったんです。つい日本語だけで盛り上がったりもしてしまうんですよね。するとAは、『僕だけ一緒に笑えないんだ。疎外感を感じるよ!』ってすねてしまうんです」

言葉以外にも、初めて見る日本の食べ物が口に合わず、食事中もため息をついたりするAさん。
「家族がAさんを楽しませようと、高級なお寿司や珍しい魚介類、地元のご当地グルメとか用意してくれたんです。でも口に合わなかったのか、どんどん箸が進まなくなってしまいました。Aがどんよりしてきたせいで、だんだんと家の空気が重くなってきました」
しまいにAさんは、毎朝舞花さんのお母さんが用意してくれる和食の朝ごはんにも文句を言い出します。
「アメリカではAも喜んで食べていた日本食ですが、毎日は辛かったのか『もうライスは食べられない』と言ってきたんです」

パンを買いに行くのにも「日本語が分からないから無理だよ」とひとりではどこにも行こうとしないAさん。仕方なく、舞花さんはAさんのためにスーパーへ行き、家族の食事とは別にサンドイッチを用意したりと翻弄されます。
すると、そんなふたりの様子を見かねた舞花さんのお母さんは、行動に出ます。